2014年1月16日木曜日

ブランケット

今日はフランス料理の話。
とは言っても、イタリアの家庭でも一般的なフランス料理です。
イタリア料理には、ちょいちょいフランス料理が出てきますよね。
今回の料理、“ブランケット”も、イタリア料理の立場から見たフランス料理の話です。
『サーレ・エ・ペペ』の記事です。

この記事は、こんな風に始まります。

「フランス人て、料理にちょっと特別~な雰囲気の名前つけるの、うまいですよねー」

ほお~、なんとこれは、イタリアの料理用語を翻訳する時、よく感じることそのものですよー。
例えば、ミッレフィオーレはミルフィーユ、タルタラはタルタル、ベシャメッラはベシャメルなんて感じで、ちょっとした料理用語も、イタリア語よりフランス語のほうがお洒落にすんなり聞こえるんですよねー。

で、ブランケットblanquetteですけど、これは毛布のことじゃないですよ。
基本のフランス料理の一つ。
肉の煮込み料理です。
難しく言うと、19世紀フランスの中産階級の食卓の主役、だったんだそうです。
語源はblancブラン。
フランス語で“白”です。

こんな料理。
 ↓
Blanquette de veau, or as the waitress pronounced it,


定番の付け合せはライス。
どこからみても、21世紀初頭の日本の庶民の間でもお馴染みの、ホワイトシチューですね。

まず、主な材料は、白肉。
つまり、子牛、鶏、七面鳥など。
煮込むソースは生クリーム、ホワイトソース、白玉ねぎ、ホワイトマッシュルーム。
バリエーションでポロねぎ、かぶ、セロリアック、じゃがいもなどの野菜。
全部白。

これをブランケットと呼ぶと、イタリア人にはとても魅力的な響きと感じるらしい。
イタリア語で呼べば、スペツッツァティーノ・ディ・ヴィテッロかなあ。
そういえば、ブランマンジェもイタリア語だとビアンコマンジャーレだし、モンブランはモンテビアンコだし、フランス語のが、言いやすいなあ。
この料理は、イタリア語の名前がないようで、イタリア人もブランケットと呼んでいます。
よっぽどこの名前の響きがしっくりきたんでしょうねえ。




白い食材に色がつかないように、炒めるのではなくポシェするこの料理。
いつものシチューも、このひと手間でブランケットに変身です。

組み合わせるワインも白。
お勧めは、コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリのカンティーナ・クリーヴィのワインだそうです。


コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ地方。
素晴らしい。




クリーヴィのワイン


eleonora-manto_gustonudo_18.clivi



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関連雑誌;『サーレ・エ・ペペ』2012年1月号、“ブランケット”の解説とリチェッタは「総合解説」2012年1月号に載っています。

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