今日はマルサーラ(マルサラ)の話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。
マルサーラは、シチリアの西の端にあるトラーパニ県の町。
wikiによると、シチリアでは、パレルモ、カターニア、メッシーナ、シラクーザに次いで5番目に人口の多い町です。
ということは、トラーパニ県の県都、トラーパニより人口が多い。
つまり、実力で言えば、“トラーパニ県”ではなく“マルサーラ県”が妥当なところなんです。
マルサーラの人たち、こんな悔しい思いを100年間も抱えています。
料理の世界でも、“トラーパニ風”と名のついたものは往々にして“トラーパニ県風”であって、マルサーラでも作られているものがよくあります。
つまり、世が世なら、“マルサーラ風”と呼ばれていたかもしれない訳です。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事で、マルサーラの観光ポイントとしてまず紹介しているのは塩田です。
中でも、エットーレ Ettore とインフェルサ Infersa の塩田の風車。
マルサーラの塩田
トラーパニ県の塩田については以前も書きましたが(こちら)、塩をお土産に買う時は、Sale marino artigianale di Trapani を選ぶこと。
そして、安い手作り天然塩というのはあり得ない!ということを忘れずに。
次のお勧め観光ポイントは、塩田の向かい側にあるモツィア。
サン・パンタレオ島 San Pantaleo というのが正式名。
島のウィテカー博物館の目玉は、紀元前に作られた大理石のギリシャ風青年像、ジョヴィネット giovinetto。
マルサーラの街の中心は、レプッブリカ広場。
下の動画は広場から中継のTV番組。
パチェーコのメロン、ヌービアの赤にんにく、カステルヴェトラーノのパーネ・ネロ、チェーチの粉の生地を揚げたパネッレ、揚げ菓子のスフィンジ、羊乳のパスタ・フィラータチーズ、いちご、野いちご、神父さまが造るミサ用のワイン、カッサータなど、トラーパニ県の名産品を紹介しています。
記事の中でマルサーラのパンとして紹介されている“スクアラート squarato ”はこれ。
マルサーラ旧市街のお勧めレストランとして紹介されているのは、トラットリーア・ガリバルディ。
ホームページはこちら。
メニューを見ると、プリーモ・ピアットになかなか面白そうな料理を揃えてます。
魚のクスクス
マルサラ風ラグーのタリアテッレ
イワシのパスタ
魚のソースのブジアーテ
マグロのラグーのブジアーテ
などがありますねえ。
マルサーラの西にある島、マレッティモのリストランテ・イル・ティモーネの“カンパチとアーモンドのブジアーテ”
photo by The artist previously known as flickrsucks
ブジアーテはトラーパニのパスタとして知られているようですが、これも正確にはトラーパニ“県”のパスタなんでしょうね。
ちょっと不憫なマルサーラ(笑)。
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年2月号
“マルサーラ”の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年2月号、P.33
に載っています。
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