今日は海藻の話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』6月号の解説です。
Wakame salada, photo by Javier Lastras
6月号では、『ガンベロ・ロッソ』でも海藻が特集されていました。
まだまだ一般的な食材ではないとは言え、イタリアの料理界で海藻が取り上げられるとは、なかなか興味深いですねえ。
海藻は、イタリア語ではアルゲ alghe 。
でも、ワカメ、コンブ、ノリ、ヒジキといった言葉は、そのままイタリアでも使われています。
面白いことに、たいていが女性名詞なんですねえ。
ラ・ワカメ、ラ・コンブ、ラ・ノリと、なんともロマンチックな呼び方。
逆に、「日本人は寒天のことを“寒い空”とロマンチックな名前で呼ぶ」、なんて言ってるイタリア人もいますが。
日本人にとって、海藻は日本の味。
外国に、しかもイタリアに、海藻を使った日本と全く同じ味の料理があるなんて、想定外ですよね。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事を読むまで、すっかり忘れてましたよ。
そんな料理があることを。
青のり入りの、ナポリのゼッポレ zeppole です。
www.flickr.com
レストランでは、前菜として出てきたり、フリット・ミストの一品だったりと、よく見かける食べ物。
これ、青のり入りイカフリッターの、イカ抜きのもの(つまり衣か)に味がそっくり!
この青のり、イタリア語では、ラットゥーガ・ディ・マーレ lattuga di mare と言います。
“海のレタス”です。
青のりは世界中に分布している海藻で、イタリアでも採れます。
青のりをたっぷり入れたゼッポレの作り方を紹介しているサイトもありました。
www.cookaround.com
イカを入れるとおいしいよ、と教えてあげたくなるなあ。
もう一つ、イタリアで比較的よく見かける海藻があります。
赤紫色をしたダルス dulse です。
アイリッシュ・モスとペッパー・ダルス, photo by John Wigham
インサラータに入っていたり、シーフードに添えてあったりしますよね。
日本では聞かない名前ですが、欧米では一般的な海藻のようで、イタリアでは、主にアイスランドやカナダ産のものが出回っています。
こちらは日本語でダルスを解説しているサイト。
www.ne.jp
これがダルスでちゅ。
ワカメとツナのスパゲッティというのを作った人がいましたよ。
味付けは、にんにく、唐辛子、フィノッキエット・セルヴァティコ、タイム、シブレット、白ワイン。
どんな味だったんでしょうねえ。
www.cookaround.com
どんなものでも、まったく知らないものを初めて食べた人はエライ!
青のり入りゼッポレの美味しさが分かるナポリ人なら、青のりを散らしたたこ焼きも気に入るんじゃないかなあ。
今日のおまけの写真は、ロンドンのカムデンタウンのフリーマーケットに出没しているたこ焼きの屋台。
青のり、かけてるかな。
ちなみに、たこ焼きは英語では“オクトパス・ボール”と言うらしい。
Mmm... Takoyaki!, photo by Omid Tavallai
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年6月号(クレアパッソで販売中)
“海藻”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」'06&'07年6月号、P.26に載っています。
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てことは、アルゲーロは海藻関連の名前ですか?
返信削除.........?
返信削除あっ、アルゲだからアルゲーロ!
ハハハ、そんなわけナイゲーロ。