ちょつと横道に逸れましたが、リグーリアのグルメガイドの話に戻ります。
そういえば、この記事の最後に、ちょっと変わった名物が紹介されていました。
カステルヌオボ・マグラCastelnuovo Magraというリグーリアの東の端にある集落の名物だそうです。
丘の上の美しい街です↓
街のwebページによると、丘の上に教会が建ち、そり周囲に家が建てられ、さらに上には城が建てられました。支配権を巡る争いが激しく、城の周囲は城壁で囲まれて要塞化しました。
最後には教会が仲裁役になって平和を取り戻したそうです。
丘の対極にある教会と城、そして住居の周囲は、オリーブとぶどうの畑で覆われています。
街の経済の基盤は農業。栽培されているぶどうはヴェルメンティーノ。リグーリアの1/3のヴェルメンティーノがカステルヌオボで栽培されています。
カステルヌオボのベルメンティーノの畑とカンティーナでのテイスティング。
この街のもう一つの名物が、生ハムです。プロシュッタ・カステルノベーゼprosciutta castelnovese。
生ハムはイタリア語ではプロシュットprosiuttoと男性名詞ですが、カステルヌオボの生ハムは、プロシュッタprosciuttaと女性名詞なんです。女性名詞で呼びたくなるような、デリケートな風味が特徴の生ハムです。
この地方は、リグーリアの端にありますが、トスカーナの美食で知られるガルファニャーナやルニジャーナ地方、エミリア・ロマーニャにも接していて、生ハム造りにも適した土地で、独自の上質の製品が造られています。
今どきでは、男女差を全面に出したネーミングは売りにくそうですが、造り手はプライドを持って30年前と同じ製法でプロシュッタを造っています。
最後に紹介するのはパニガッツィpanigazzi。
トスカーナとの州境の街、Bolanoの名物。
テラコッタのテストで焼くパスタで、不揃いのひし形に切って、ペーストをかけて食べます。
ルニジャーナ地方の名物。
テストで焼くと言えば、エミリア・ロマーニャのピアディーナですよね。
さらにリグーリアのテスタローリもこの仲間。
具はオイルとおろした硬質チーズでも、サラミとチーズでもok。
テスタローリはスローフードの保護食材。
スローフードの本、『オステリエ・ディ・イタリア2017』のリチェッタを訳してみます。
testaroli di Pontremolesiポントレモリのテスタローリ
材料/2、3人分
小麦粉・・250g
バジリコ・・一握り
にんにく・・1かけ
おろしたパルミジャーノかペコリーノ
EVオリーブオイル、塩
・テストを炭にのせて熱する。
・小麦粉、塩少々、水を混ぜてなめらかな生地にする。
・テストの下の皿に生地を少量入れて均一に広げ、蓋の皿をかぶせて炭にのせ、5分焼く。
・焼き具合を見て蓋を取り、生地をはがして布巾にのせて水気を飛ばしながら冷ます。
・その間にペーストを作る。
・バジリコを刻みながらパルミジャーノとにんにくを加えてよく混ぜ、オリーブオイルで溶く。
・鍋にたっぷりの水と塩を入れて火にかけ、沸騰させる。
・テスタローリを6cmのひし形に切る。
・湯に入れて2分ゆでる。
・取り出してペーストとおろしチーズをかけながらと交互に皿に盛り付ける。
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