細長いリグーリアは、西か東の区別はあっても、北か南かは、問題にならないほど薄い。
リビエラの西と東、どっちに行くかと問われれば、東が有力だろうなあ。
なにしろ東にはチンクエ・テッレがあるしね。
リグーリアを旅して足を踏み入れなかったら後悔するのはチンクエテッレとジェノバ。
でもここではちょっとひねくれて、チンクエテッレにありながらアンチョビで有名なモンテロッソあたりを紹介してみましょうか。
地方料理書の大作“グリバウド地方料理シリーズ”の『リグーリア』によると、
レバンテの特徴は断崖にへばりついた漁師の村。
すぐ隣には世界で一番有名な観光地と大都市ジェノバがあったけど、村人は何世紀もの間孤立して暮らしてきた。
リグーリアの海は深くて岩場が多く、軟体動物や甲殻類、つまりタコ、イカ、エビが棲みやすい環境。アンチョビを始めとする青魚も豊富だ。
アンチョビは海のパンと呼ばれていた。リグーリアのアンチョビは中世にはすでに有名で、ピエモンテとの行商の通り道はアンチョビの道via delle acciugheと呼ばれてヴァッレ・ダオスタまで続いていた。アンチョビは“海の銀a;rgento del mare”とも呼ばれる重要な産物だった。
ピエモンテのアンチョビ料理といえば、バーニャ・カウダ。海のない地方のアンチョビソース。
アンチョビの塩漬けは、漁師の村で女性たちが受け継いできた技。
アマルフィのコラトゥーラで有名なチェターラのアンチョビの
塩漬けと比べると、かなり繊細で丁寧な技のように見えます。
甘いのが特徴なんだそうです。
独特のガラスの容器に詰めて40〜50日漬けます。
モンテロッソのアンチョビのスパゲッティはなんと、ベネトの伝統料理なんだそうで。
これもリグーリアのアンチョビが広まっていた結果ですね。
Spaghetti con acciughe di Monterossoモンテロッソのアンチョビのスパゲッティ
かつてはリグーリアの漁師の定番の朝食でした。
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