今月のリチェッタ2品目は、パスタ・エ・ファジョーリ(「総合解説」7/8月号p.2)。
一見、田舎風の素朴な料理ですが、実に奥の深い料理です。
まず、この料理の主役は、パスタか、いんげん豆か。
それによって、この料理がどの地方の料理なのかも変わってくるかも。
ただしこの料理は北から南までイタリア中で作られているイタリアの農民の生活を支える基本の料理なので、とりあえず出会ったら一度は食べておいたほうが、後で後悔しないかも。
まず、パスタが主役なら、パスタの本場、ナポリ風。
ナポリ風は白インゲンとパスタの切れ端のミックスで作るのが特徴。中部や南部では豆は小粒の白インゲン、カンネッリーニを使い、トマトで煮ます。
パスタは乾麺ならディタリーニなどの小型のもの、生麺ならラザニェッテやクアドルッチ。麺のでんぷんと豆のデンプンが溶け出て混ざり合い、クリーミーに仕上がるので生麺のパスタ・エ・ファジョーリは一味違います。
乾麺なら、パスタ・エ・ファジョーリ用のミックスパスタというのもカンパーニアでは売っています。
ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ↓
ちなみに、「総合解説」のリチェッタでおすすめしているパスタは、Manciniマンチーニのle Curve。
マンチーニは1938年に小麦の栽培から初めたマルケの家族経営のパスタメーカー。自社栽培の硬質小麦から、モダンなテクノロジーでアルティジャナーレのパスタを作るメーカーです。パスタにはこの地域の自然と文化が詰まっている、と語る大力作。
le curveはhpによると(こちら)乾燥の過程で折れたロングパスタを集めたものだそうです。
高価なパスタですが、いわゆるアウトレット品ですね。
主役になれるパスタです。
次は豆が主役の場合。
「総合解説」では、トラジメノ、ゾルフィーノ、カンネッリーニの3種類の白いんげんをミックスしています。
ファジョリーネ・デル・トラジメノfagioline del Trasimeno。
黒目がある小粒の白いんげん。ウンブリアのトラジメノ湖周辺で栽培されている。
皮がとても薄く、柔らかい豆なので戻す必要がない。
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生のボルロッティ豆が出回る季節(夏)のベネチア人の大好物がパスタ・エ・ファジョーリ。
生ボルロッティのパスタ・エ・ファジョーリ↓
パスタ・エ・ファジョーリは香味野菜のソッフリットに豆と野菜や軽い鶏のブロードをかけて煮るのが基本。
これに豚の脂身でコクを加えますが、リチェッタではパルミジャーノの皮のゆで汁で煮ます。
パルミジャーノの皮の利用方法が初耳で面白そうなので、この話は次回に。
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