今日のお題はなすのパルミジャーナ。
「総合解説」P.40の料理がきっかけです。
“ピクニック”という記事のこの料理は、外で食べる持ち運びできる料理の1品です。
パスタは持ち運びしにくい料理ですが、工夫次第では、ピクニックで食べることも可能、というわけで、その一例がオーブン焼きのパスタです。
今回は、ナスのパルミジャーナにパスタを加えてオーブン焼きにしてオーブン皿ごと持ち運ぼうというアイデア。
料理ベースはなすのパルミジャーナ。
動画では、ナポリのパルミジャーナというタイトルがついていますが、パルマ発祥の料理ではなく、ましてはナポリで生まれたという証拠はなにもありません。
モッツァレッラやトマトソースが一般的な地方、つまりナポリやシチリア、カラブリアなど南イタリア各地もルーツを主張しています。
ところがこれはなすの料理。なすはアラブから伝わった野菜です。
この料理の歴史を調べようと思ったら、アラブ料理の知識も必要になります。
アラブ関係となると、シチリアルーツ説が俄然有力になります。
なすは中世後期にヨーロッパに伝わりますが、苦さが敬遠されてイタリアでは19世紀はじめにようやく普及します。
イタリアではなすのアク抜きにとてもこだわりますが、どんだけ苦かったんでしょうか。
ナポリ料理の名著、『リチェッテ・ディ・ナポリ』によると、
そもそも苦いナスを甘くするためにりんごと交配させたそうで、病気のりんごなどと呼ばれたこともあったそうです。
この本によると、シチリアで栽培されていたなすの品種がペトロンチャーナという品種で、これが後にパルミジャーノと呼ばれるようになったとか。
ナポリはパルミジャーナの最初のリチェッタが出版された地なので、普及はしていたようです。
彼はこの料理はパルマ公国で生まれてナポリ王国に伝わったという説も発表していて、そのルーツはほんとに謎です。
もっとも一般的に信じられている説は、材料を重ねる姿が木のブラインド、パルミチャーナに似ていたから、というもの。
この料理はシチリアでは伝統農業製品に指定されているそうです。
シチリア風なすのパルミジャーナ。
プーリア風なすのパルミジャーナのパスタのオーブン焼き。
トマトソースは小粒のミートボール入り。
小粒のミートボールはアブルッツォではパッリーネと呼ぶ名物。
挙げたナスとパッリーネ入リトマトソースのパスタとチーズを重ねてオーブンで焼くご馳走。
『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』
によると、翌日が美味しい料理。
「総合解説」
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