今日紹介する料理はダビデ・オルダーニシェフの本から。
ダビデ・オルダーニシェフ。
イタリア料理界の新世代の代表として、やることなすこと注目を浴びてきたシェフが、世界中を旅して見つけだ新しいイタリア料理とは、というのを紹介しているいるのがこの本です。地方料理ではなく、イタリア料理としてイタリア料理の価値を高める、という高い目標を掲げています。
オルダーニシェフの目指す新しいイタリア料理とは、出身地と家族の伝統にこだわらないイタリア料理です。
なんてこと言うんだ、今どきの若いもんは、なんて考えちゃう時点で、古いんだろうなあ。
まったく、キラキラ輝いてる怖いもの知らずの若い世代ですね。
こういう人物が出てきたおかげて、イタリア料理界は見事に世代交代に成功しました。
今日紹介するリチェッタは、この本から、“魚のクスクスcous cous con pesce”です。
シチリアのトラパニ地方と家族の伝統から生まれたてきたような、モダンな要素があまりないシチリアの伝統料理。
ご存知のように、この料理はアフリカとシチリアの結びつきから生まれた料理。
クスクスは家庭での手作りが前提。
料理の説明は・・・
「クスクスはアフリカ北部の、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビアなどマグレブの国々の、ベルベル人の国民的料理だ。」から始まります。
マグレブは北アフリカのイスラムの国々で、その料理がイタリア料理に与えた影響は小さくはありません。マグレブの文化↓
ベルベル人とは↓
アラブ人を通してベルベルの料理はシチリアやサルデーニャの沿岸部に伝わり、特にチュニジアとの結びつきが強いシチリア西海岸では大人気になった。
トラパニのサン・ヴィート・ロ・カーポSan Vito lo Capoでは、毎年9月に“クスクス・フェスティバル”が開かれるほどだ。
クスクスは平和の象徴の料理として、国際交流にも役立っている」
このことを見出したのが、地方料理にとらわれない若手料理人、というのも意味深い。
北アフリカがこんなに複雑な民族問題を変えた地方だったとは、恥ずかしながら知らなかった。
それではリチェッタを訳してみます。
Cous Cous con pesce魚のクスクス
《魚》
ブロード用魚各種(カサゴ、マダイ、ヒメジ、クロダイ、エビなど)・・1kg
にんじん・・2本
セロリ・・2本
玉ねぎ・・2個
にんにく・・1かけ
完熟トマトかホールトマト・・3、4個
刻みアーモンド・・50g
粉サフラン・・1袋
ローリエ・・2枚
イタリアンパセリ・・1把
EVオリーブオイル
塩、こしょう
《クスクス》
クスクス・・250g
水・・1L
EVオリーブオイル、塩
・魚の骨を取り除き、鍋に粗を入れて水で覆う。小さく切ったセロリ1本、玉ねぎ1個、にんじん、ローリエ1を加えて煮る。濾してブロードを取る。
・魚を小さく切る。
・残りの玉ねぎ、にんにく、イタリアンパセリのみじん切りを油でソッフリットにし、残りのローリエ、小角切りにしたトマト、最後に魚を加える。
・水で覆い、塩、こしょう、湯少々で溶いたサフラン、刻みアーモンドを加える。
・煮汁が濃いソース状になるまで煮込む。
・クスクスをボールに入れて油少々を加え、フォークで混ぜながら粒をほぐす。
・口の広いフライパンに水と油小さじ1を沸騰させ、クスクスを入れる。蓋をして火を止め、5分水分を吸わせる。
・バター50gを加え、フォークでかき混ぜながらて再び弱火で3、4分煮る。
・クスクスに魚のソースの一部をかけて皿に盛り付ける。
・たっぷりのソースと魚のブロードを添えてサーブする。
《クスクス》
・テラコッタの浅いボール、“マファラダmafaradda”にセモリナ粉一握りと塩を加えた水大さじ1を入れて手の平で円を描きながらこすり合わせて粉に水を吸わせ、小さな粒状にする。油も加えて粒がパラパラになるようにする。
ベルベル料理のクスクス。
クスクスはユネスコの文化遺産に登録された。
本ではクスクスの作り方に関しては写真を多用して、詳しく説明しています。
複雑な料理なので、写真がないと、説明が難しいかも。
今月の「総合解説」のクスクスのリチェッタはP.5
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