「総合解説」2019年3/4月号の記事、“今月のリチェッタ”の前菜の2品めは(P.3)、
“スカンピ、フィノッキオ、マッシュポテトの前菜”です。
この料理も、素材の1つ1つに手をかけています。
スカンピは、かなり手の込んだパン粉をまぶして焼きます。
まず、にんにくとアンチョビ風味のトマトのパッサータに薄く切ったパンフォカッチャを浸し、これをオーブンでカリカリに焼いてからミキサーにかけてパン粉にします。
日本のパン粉は、世界中でパン粉pankoとして人気。
パン粉はイタリア語ではpangrattato。パン粉の衣をつけたものはimpanato/
インパナート。
でも、このパン粉は日本製とは言いにくい。何故というと、発明したのはロスのメーカーなんです。
pankoとはなにか、なぜ他のパン粉と違うのかをロスのパン粉メーカーと一緒に解明する動画↓
戦後の食糧事情やポルトガルからパンが伝わった歴史も含めて、すごく興味深い考察です。
そもそもパンとは何のことかから説明してます。
日本のパン粉はサクサク揚がるので人気だったようですが、
欧米のパン粉と日本のパン粉は何が違うのでしょうか。
その原因はパン粉用パンにあります。
熱ではなく電流で焼くpankoのパンは水分が飛んで耳のないパンになります。
色は全体に均一で白く、パンのニュートラルな風味も残ります。
そもそもパンを電気で焼いたのは、戦後の何もない時代に、配給品の小麦粉を食べるために戦車のバッテリーを使うことから考え出されたのだそうです。
ところがそうして焼くと、かなりクラムがサクサクのパンになったのでした。
動画ではパン粉に水分を吸わせて違いを見ていますが、pankoはかなり吸います。
実は、パンフォカッチャの説明なんて、小さなパンの形をしたフォカッチャ程度しか思いつかなかったのですが、パンの焼き方が違うだけで、パン粉がこんなに違うと知ったら、パンフォカッチャのパン粉も、無視できないかも、と思うようになりました。
ただ、子供の頃からpankoを食べて育った日本人には、大きな問題も。
星付きシェフが造った絶品コトレッタもパン粉が使われていると、あっという間にスーパーのお惣菜になってしまうのです。
パン粉の大ファンが、歴史的な発明品を家でローテクで作ってみる涙ぐましい動画↓
本人も語っているように、スーパーで安いパン粉買ったほうが早いて。
パンフォカッチャの話は次回に。
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