2020年11月11日水曜日

ポレンタは北イタリアのスパゲッティかも。

ポレンタ・タラーニャの話が出たところで、今月の「総合解説」のポレンタの話に(P.25)。
ポレンタはアメリカ大陸発見前から存在した歴史の長い料理。
古代ローマ人は日常的にポレンタを食べていましたが、料理の名前はポレンタではなく、ランテ語で粥という意味の“プルスplus”と呼ばれていました。
使われたのはソラマメ、ひよこ豆、大麦、ファッロ、小麦などの粉。
熱くて柔らかくて腹持ちがよい料理ポレンタに、新大陸からのとうもろこしが使われて革命が起きます。

とうもろこしは勘違いからトルコの小麦brano trucoと呼ばれました。
そう言えば、そばは元トルコ領から伝わったのでサラセンの小麦grano saracenoと呼ばれました。

ポレンタは、粥からスタートして、ニョッキ、オーブン焼き、フリットなど、様々な形のアレンジが考え出されました。どんな食材とも組み合わせられる万能の料理だったのです。

粥状のソフトポレンタが最初のポレンタだとしたら、今月の「総合解説」2019年1/2月号P.25~の“ポレンタ”の記事で訳したリチェッタは、最新のリチェッタです。
それはポレンタがどんな食材とも相性が良く、粥からオーブン焼きまでどんな調理方法でも使えるという特性を活かした料理。

下にはソースを敷き、上には旬の食材をトッピングします。
アイデア次第で無限にできます。
ポレンタとカボチャのトッピング↓
ポイントはインスタントポレンタを使うことぐらい。

安くてボリューミーなポレンタの普及を妨げていたのは調理時間の長さ。
でも今は、短時間でできるインスタントポレンタが普及し、電子レンジを使う方法も広まってきた。
レンジで作るポレンタ↓

ポレンタの未来は明るい。

パスタが敬遠されがちな北イタリアのトレントで、トマトソースのスパゲッティという、一番敬遠されがちな料理にトライしたミシュラン2つ星のシェフがいました。
トレントのスプマンテ王、ルネッリ一族が経営するリストンテ、ロカンダ・マルゴン(店のwebページはこちら)のアルフィオ・ゲッツィシェフです。
ちなみにこの店の話は今月の「総合解説」のグランディ・ファミリアの記事(P.11)に出てきます。ゲッツィシェフのトマトソースのスパゲッティ↓

トマトは4種類使っているそうです。
そのほかにも、渾身の最新のテクニックを駆使した大作でした。
マルケージとベルトンの元で修行し、クチーナ・クレアティーバを作るシェフですが、地元のトレントを愛してその食材を使うのが彼の料理。
伝統的なポレンタも作りますが、必ずワンポイントを加えます。
例えばブラザートに添えるポレンタにはケッパーを加える。ジビエに添えるポレンタにはマリネ液にコーヒーやココアを加えるなど。
北イタリアのシェフのパスタは、逆に独創的。
スパゲッティとポレンタ、生き残るのはどっちだ。

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総合解説
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