ここのところお題はキアニーナとピエモンテーゼですが、
キアニーナは、過去に何度も取り上げたし、そもそもフィオレンティーナに特化した肉で、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは料理名がすべてを語っているような料理なので、あまり付け加えることもないかも・・・。
今月の「総合解説」によると、優秀な肉屋は、ランプやロースといった人気のある部位だけでなく、内臓や骨を含むあらゆる部位を勧めることができなくてはならないのだそうです。
精肉店の専門学校で学ぶ未来のマチェッライオ。
日本にはマグロの解体ショーはあっても、牛肉の解体を目にすることはないなあ。
今回の「総合解説」で肉のことを教えてくれるのは、ガンベロ・ロッソチャンネルでも肉の番組を持つファブリツィオ・ノニスさん。
いい機会なので、イタリアの牛肉の部位について、簡単に見てみましょうか。
まずは牛肉の、人気のある一般的な部位について。
最初はscamoneスカモーネ、ランプですね。
ロースからももへと続く部位ですが味はよく、ロースと比べて値段がかなり安いので人気がある。
さしは少ない部位なので、熟成によって肉の柔らかさを引き出す。
そのため品質を判断するには管理具合と目利きが重要。
次はノーチェnoce。
ももの大きな部位。
スライスしてスカロッピーネ、ビステッカ、インボルティーニ、丸ごとをロースト、ブラザートなど、各種の料理に適している。
赤身の部位なので長期の熟成(最低18~20日)が必要。
そしてレアーレ・ディ・ボビーノreale di bovino、肩バラ。
ちなみに12ヶ月齢以上はbovino牛肉で、12ヶ月齢以下はヴィテッロvitello子牛肉と呼ぶ。
レアーレは牛の前半分の首からロースに続く部分。
よく動く部位なので結合組織や脂肪が多く、これらが加熱によって溶けることによってとても柔らかくなる。
スライスした切り身はコスタータcostataと呼ばれ、フィオレンティーナの弟分とみなされている。
経済的で美味しい部位。
それではフィオレンティーナの弟分のステーキを、フライパンで焼く料理をどうぞ。
コスタータのステーキ。
牛肉のコスタータcostata di manzo arrostita。
材料/
牛の骨付きコスタータ・・1kg
バター・・100g
タイム
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル
塩、こしょう
・前の晩に肉に塩を散らし、肉から出た水分を吸うようにキッチンペーパーで挟んで冷蔵庫に入れる。
・肉を焼く1時間前に冷蔵庫から出して室温に戻す。
・底の厚い高温になるフライパンに、発煙温度が高い油を熱し(オリーブオイルは低い)、この時点で味は重要ではない。
・フライパンが十分熱くなったら肉を、長くて片面1分焼く。昨晩肉に塩を降って16時間経っているので肉は塩を吸ってしっかり味がついている。
・焼き色がついたら裏返してさっと焼く。
・肉を取り出して、またはとろ火にし休ませる。レアの場合、休ませた肉の内部の温度は最高48~50℃になるようにする。フライパンの油を漉す。
・フライパンに肉を戻し、発煙温度の低い(100~110℃)上質のバター、潰した皮つきにんにく1かけ、タイムを肉にのせ、バターをかけながら休ませると、外はこんがり、中はレアに焼き上がる。
・フライパンを肉ごと230℃のオーブンに入れて5分焼く。
・肉を取り出し、一番端の部分と骨を切り取り、中央部分をスライスして熱した皿に盛り付ける。
・塩、焼き油、こしょうを散らしてサーブする。
訳している間に口がすっかりステーキになっちゃった。
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