ピッツァにはワインじゃなくてビール、ということを知ったのは、始めてナポリのピッツェリアに行った時のこと。
そう、よりによって、ナポリでのことだったのです。
カメリエーレに飲み物は?と聞かれて、ワイ・・・と答えかけたら、一緒にいた日本人の旅仲間が慌てて、ビールでしょ、と否定したのです。
カメリエーレも冷笑しながらビール以外の選択肢はないよ、という風でした。
どうやら、観光客にありがな失言をしたようだというのはすぐにわかりましたが、まだおこちゃまでビールの苦さが苦手で食が細かった当時の私にとっては、
せっかくのピッツァにビールかあ、もったいないなあ。
という無念の思いと、何かやらかしたらしい、という恥ずかしさが強く印象に残った出来事でした。
結局この体験がトラウマになりました。
今でも、ビールよりワイン派ですが、さすがに、ナポリのピッツェリアでワインを頼んだ時の場違い感は、もうゴメンです。
それに近頃のイタリアのクラフトビールは、ビールの苦味問題をかなり解決してくれます。
だから、「総合解説」7/8月号の“ワインとピッツァ”の記事は、個人的に、ちょっと胸がスカッとなるような記事でした。
ワインメーカーのこちらのページによると、そもそも、ナポリでは1950年代、ファシスト政権の名残で、アルコール度8%以上の飲み物の提供が禁止されていました。
でも、高度成長期に入ると庶民の消費額が増えてピッツァにビールを合わせる習慣が生まれます。
イタリア人の36%はピッツァにビールを組み合わせるようになり、ワインはわずか8%、16%はソフトドリンクでした。
さらにこちらのブログによると、ビールはボトルワインより高価だったので、庶民の食事の場、ピッツェリアではビールのほうが人気があったのでした。
どうやらピッツァにはビールというのも、ナポリ人の食にはやたらこだわってるけど、縁起をかついで伝統を変えたがらない、という深層心理が影響しているのかも。
下の動画では、ピッツァにはビールというのはイタリア人が考えたことで、誕生は第2次大戦直後。この組み合わせが定着したのはビールが一番安いのみものだったから、と言っています。
さらに、ビールを飲むとお腹が張るのは注ぎ方が悪いせい。
はるか昔の私のトラウマが、薄まっていきま~す。
では、どんなワインが合うのか。
これ次回のお題です。
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