は、訳しながら、ナポリ人の食へのこだわりに頭が下がる思いでした。
冒頭の写真の少年は、ナポリの人気キャラクター、プルチネッラが手づかみでパスタを食べる有名なポーズを真似しています。
実写版プルチネッツラとスパゲッティ
ちなみにスパゲッティを手づかみで食べさせたら、イタリアの国民的喜劇俳優トトの演技が絶品。『Miseria e nobiltà』のワンシーンはもはや伝説。
パスタを食べるシーンが語り継がれているもう一つの映画、『Un americano a Roma』
数十年ほど前までは、パスタはこれほど庶民の、というか貧しい庶民の食べ物でした。
パスタの地位が向上したのは、小麦の品種や製造方法にこだわった造り手が現れ、パスタの品質を向上させていき、その味を最大限に味わえる料理を考え出してきた料理人の工夫の結果です。
現在は、パスタ・プライドと呼ばれる時代。
上のパスタはトトの好物だった1品です。
トトの娘のリリアナが料理書に書き残して広まりました。
ジェンナーロはナポリの守護聖人のこと。
ナポリ人に熱烈に信仰されている聖ジェンナーロ。
ジェンナーロ風スパゲッティSpaghetti alla Gennaro
材料/1人分
太いスパゲッティ・・100g
アンチョビ・・3枚
にんにく・・2かけ
オレガノ・・少々
バジリコ・・1房
固くなったパン・・3枚
EVオリーブオイル、塩
・パンににんにくをこすりつけて刻む。
・油とにんにく1かけを熱してパンを炒める。
・別のソテーパンに油とアンチョビを熱して溶かし、オレガノを加える。
・ゆで上がったスパゲッティとパン粉を加えてなじませる。
・皿に盛り付けてちぎったバジリコを加える。
シンプルで素朴なパスタ。
天才のことを思い出しながらどうぞ。
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