2020年4月4日土曜日

カリスマがぶちゃけた巨匠の苦手料理、ニョッキ

フリウリ地方の名物ニョッキを作るという大役をまかされながら、小麦粉を加えすぎて思い切り失敗して、フリウリ出身で、やたら注目浴びてる新人スーシェフに、いいとこ全部持ってかれたカルロくんは、後にイタリアを代表する料理人として大活躍し、若手の育成にもバリバリ取り組み、後輩にイタリア料理を教える本をたくさん書きました。
そのうちの一冊が、
クールにしたいならエシャロットを使う』です。

本の中でシェフは、過去の苦い思い出と、その後で猛勉強したと思われるニョッキのリチェッタを披露しています。

それでは、リチェッタをどうぞ。
ニョッキ・リピエーニGNOCCHI RIPIENI
材料/4人分
ニョッキ;
小麦粉・・110g
おろしたグラナ・パダーノ・・80g
卵黄・・大2個(小さいものなら3個)
塩、白こしょう
詰め物;
リコッタ・・500g
ターメリックパウダー・・3g、塩

・ニョッキに最適のじゃがいもは山で栽培された、とても乾いた、デンプンが少ないものだが、手に入れるのが難しい。
一般に売られているものはフレッシュでデンプンをたっぷり含んでいる。
小型のパターテ・マッテは見栄えがよくて美味しいが、値段が倍はする。
レストランではよく使うフランスの品種で、皮ごと食べる。
いわば、じゃがいものロールス・ロイスだ。

どうやら彼は、じゃがいものことを徹底的に調べたようです。

山間部のじゃがいもの栽培

リチェッタに戻ります。
・ボールにリコッタとターメリックを入れて塩味を整える。
・ニョッキの生地を作る(昨日のブログで訳したレッスン27参照)。
・小さく切って麺棒で薄い長方形に伸ばし、型で丸く抜く。
・リコッタの詰め物を絞り袋に入れて丸く抜いた生地の中央に絞り出す。
・半分に折り、小指で縁を軽く押さえて閉じる。
・塩を加えたたっぷりの湯で2分、または浮かび上がるまでゆでる。
・フライパンにバターを溶かし、ほうれん草を加える。炒った松の実、レーズン、塩を加える。
・火を止めてニョッキを加え、必要ならゆで汁少々を加えてなじませる。
・または皿にほうれん草と松の実を盛り付けてから、ニョッキを並べる。

さすがは巨匠のリチェッタだけあって作った人は大勢いるようです。
写真はあちこちにあります。
たとえばこちら

さらに、本にはニョッキのリチェッタをもう1品載せていて、こんなエピソードを添えています。

ニョッキはリスランテの料理より家庭の料理とみなされている。
私の母は月に1度は作ったので手際もよかった。
じゃがいもをゆでて熱いうちに皮をむく作業は、小麦粉を吸いすぎないように手早く
ちゃちゃっとやっていた。
私はニョッキがさほど好きではなかったが、作るのを見るのは好きだった。トマトソースのニョッキは酸味が強すぎてラグーのニョッキのほうが好きだった。

そんな私だが、フランスのモンテカルロにいた時、私のニョッキをデュカスシェフはいたく気に入ってくれた。
この店は私にとって初めての外国での仕事だった。
シェフはよくパスタとリゾットを見間違えた。
ニョッキも苦手だった。
フランス人にとって、ニョッキはとてもイタリア的な料理で、あまり作ることもなく、価値を高めるために、彼のレストランでは、少々途方に暮れていたらしく、だいぶ風変わりなものを出していた。
クラッコシェフは万事がこんな調子で、とても率直な人のようです。

リチェッタは次回。

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総合解説
クールにしたいならエシャロットを使う
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