今日はペスト・ジェノヴェーゼの本、『ファッチャーモロ・ペスト』
です。
ペスト・ジェノヴェーゼのポイントは、
1.リグーリアのリヴィエラ・ポネンテ(西海岸)を代表する料理
リグーリアの主な観光地と名物料理
↓
リヴィエラ・ポネンテ
ゴージャスな大人の避暑地ばかり。
どこをとっても絵になります。
さらに、アメリカ人にとって、ジェノヴァは日本人にはちょっと想像できない特別な地。
なにしろ、アメリカを発見したコロンブスが生まれ育った地なのですから。
残念ながらジェノヴァでは出資者が見つからず、資金を出したのはスペインですが・・・。
この事実が今でも、ジェノヴァ人はケチ、という風評被害を生み出しているようです。
ジェノヴァは決して小さな街ではなく、ベネチア、アマルフィ、ピサと共にイタリアの4大海洋国家とみなされていました。
ジェノヴァに富をもたらしたのはオリエントとのスパイスの交易でした。
コロンブスはその新ルートを探しに行ったのです。
彼は唐辛子を見つけましたが、リグーリアには大して広まりませんでした。
2.プラのバジリコが主役
急斜面のハウスの段々畑で一年中大量に栽培されているプラのバジリコ
デリケートで純粋で、ジューシーで雑味がない風味と輝きのある色が特徴。
カルロ・クラッコシェフは、その本、『カルロ・クラッコの地方料理』で、平地で育てたバジリコと比べてミントの後味がなく、世界一、と語っています。
かなり小型の若葉を収穫します。
ジェノヴァのバジリコはペスト・ジェノヴェーゼ4人分に必要な量が1束になっています。
3.大理石の乳鉢と木製のすりこぎで手作業ですり潰して作る
『ファッチャーモロ・ペスト』のリチェッタは、
材料/4人分
プラDOPのバジリコ・・大1束
にんにく・・1かけ
イタリア産松の実・・大さじ1
ペコリーノ・フィオーレ・サルド・・大さじ1
パルミジャーノ・・大さじ2
粗塩・・一つまみ
EVオリーブオイル
材料は上記の7つ。
プラのバジリコ、
リグーリアのオリーブオイル、
地中海の松の実、
リグーリアの農家のチーズ
忍耐力。
この5つがあれば完璧。
ペスト・ジェノヴェーゼpisto genovese
・乳鉢ににんにくと粗塩少々を入れてにんにくがクリーム状になるまですり潰す。
・松の実を加え、乳鉢の側面で押し潰しながらにんにくのクリームと混ぜる。
・完全に均質になったらバジリコを少量ずつ加える。発色を良くするために塩一つまみを加える。
・葉は叩かずにすりこぎを回転させながら側面ですり潰して葉を傷めずに油分を取り出す。
・バジリコが全部混ぜったらチーズと油を少量ずつ加える。
※伝統的にはパスタはトロフィエtrofieなど、ソースはじゃがいもとさやいんげん(パスタのゆで汁に直接加えてもよい)。
ミキサーで作る時は、長時間連続して撹拌せず、パルス動作で休み休み撹拌させる。
包丁も火も使わない、ケールから豆腐まで、バリエーションが無数にある料理。
まさにビギナー向け。
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「総合解説」
『ファッチャーモロ・ペスト』
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