2020年1月5日日曜日

今どきのナポリ料理、ついていけない問題。

いやー、きのうのアーリオ・オーリオにはびっくりしました。
実はこの料理、基本中の基本のイタリアのパスタで、部活帰りのお腹をすかせた子どもたちにお母さんが作る定番料理だとばかり思っていたのですよ。

だから、母親から受け継いだリチェッタを守って作っている、というシェフのリチェッタでも紹介しよう、と軽い気持ちで取り上げた動画でした。

1品目はたしかに、定番と思わせるリチェッタでした。
ところが問題は2品目。
ナポリの高級ホテルの星付き総料理長のアーリオ・オーリオです。
これ初見で理解できた人いるんでしょうか。
特に、ナポリのお母さんは、大丈夫だったのでしょうか。
1品目のシェフは2品目を作ったシェフとは親子ぐらい年が離れているように見えましたが、もし息子がこんなアーリオ・オーリオを作ったら、今どきの若いもんの考えていることはまったく分からない、そもそも伝統とは、と説教の一つもしそうです。
それくらい見事なまでに伝統をぶっ壊していました。
今日は気力を振り絞って、3品目のリチェッタを訳してみます。


・スパゲッティ160gをゆでる。
・にんにく1かけは230℃のオーブンで約40分焼いて黒にんにく風にする。
・ひまわりオイル100gでにんにく1かけをソッフリットにする。6分ゆでたパスタ、パスタとレードル1杯のパスタのゆで汁を加えて最後まで火を通す。
・半ばまで火が通ったパスタを熱した鉄板で焼いてロースト香をつける。
・バットに広げて室温にする。
・生にんにく1/2かけをすりおろし、卵1個、ビネガー10g、レモン汁10g、塩をハンディミキサーで撹拌する。ヒマワリオイルを少しずつつ加えて乳化させ、ソースにする。
・パスタをソース、にんにく、唐辛子のみじん切り、ゆで汁、オイル、イタリアンパセリのみじん切りであえる。
・フォルケットーネで巻いて皿に盛り付け、すりおろした黒にんにくを散らす。
ローストしたパスタのサーブの適温は60℃。ソースを少量ずつ絞り出す。
盛り付けた後のパスタのサーブの適温は30~35℃。

これもかなり理解不能でした。
いやー、今どきのナポリ料理、どうなってるの。
私が好きなイタリア料理とは違うなあ。
1品目を作ったシェフの料理でお口直しでも。


そもそも、スパゲッティ・アーリオ・オーリオってどんな料理でしたっけ。
こんな超クリエイティブな料理を見ると、元来の姿を見失いますが、そもそもは、アサリのスパゲッテイのナポリの貧しい人々のバージョン、つまりアサリが入らないアサリのスパゲッティだなんて言われています。
少ない材料と経験でも作ることができるパスタです。
ただ、ナポリ料理はパスタのアルデンテ具合には超こだわるので、パスタの湯で具合だけは、素人でも失敗は許されません。
そうそう、スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレはナポリとサレルノを始めとするカンパーニアの海に面した町のレストランには必ずある1品。
次回はナポリ料理の本から、リチェッタを訳してみます。



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