2020年1月22日水曜日

グランシェフがテイクアウトしたリボッリータ

今月は、トスカーナ人の豆好きを証明する料理としてパスタ・エ・ファジョーリをすでに紹介していましたが、今月の「総合解説」では、もう1品、トスカーナの代表的な豆料理を取り上げています。
“リボッリータribollita”です。
この料理の主役は皮が薄くて柔らかい白いんげんのカンネッリーニcannellini、またはトスカネッリtoscanelli、
冬の霜が降りると美味しくなる黒キャベツcaboro nero 、別名 braschetta。
そして塩気のないパーネ・トスカーノ、またはパーネ・ショッコsciocco、別名sciapo。

天気予報で雪が降るかもなんていってる日にはぴったりの料理。


田舎の家庭料理そのもののこの料理をちょっと特別なものにしているのは、黒キャベツ。
その別名はケール。ケールやサボイキャベツで代用も可です。
黒キャベツの下ごしらえ
 ↓

さらに「総合解説」ではミラノ万博の際にトスカーナ料理の代表としてリボッリータを作ったグレーヴェ・イン・キアンティのオステリア・マンジャンド・マンジャンドのシェフの話も載せています。
店のwebページはこちら

シェフのサルヴァトーレさん。


異色の地方料理書の力作、『カルロ・クラッコの地方料理
で取り上げているトスカーナ料理は、まずリボッリータでした。
シェフは
「トスカーナ料理を代表する定番の1品、リボッリータは、質素な畑の冬野菜のズッパで、料理の出来は、料理人の経験と野菜の質によって決まる」と書いています。
私が食べた最高のリボッリータは、とても寒い冬の日にアレッツォのラウラの家で食べたもので、さんざん食べて満腹になった後に出されたが、一口食べて夢中になり、あまりに美味しかったので、家に持ち帰ったほどだ。
ここではそのラウラのリチェッタを紹介しよう。
すでに完璧だったので、何も手を加える必要はなかった」

リボッリータRIBOLLITA
材料/8人分
戻した白いんげん(カンネッリーニ)・・500g
カーヴォロ・ネロ・・400g
キャベツ・・100g
じゃがいも・・100g
スイスチャードかエルベッテ・・100g
トマト・・3個
セロリ・・3本
玉ねぎ・・大2個
にんじん・・大2本
パーネ・トスカーノ・・8枚
にんにく・・3かけ
セージ、ローズマリー
トスカーナ産EVオリーブオイル
塩、こしょう、唐辛子
トロペアの赤玉ねぎ(好みで)

・玉ねぎ、にんじん、セロリをみじん切りにして陶器の鍋で油少々、セージ、ローズマリー、皮付きにんにく1かけ(最後に取り除く)でソッフリットにする。白いんげんを加え、水で覆って煮る。
・豆が柔らかくなったら半量を取り出してミキサーにかける。
・鍋に小さく切ったトマトと香味野菜のみじん切り、小さく切ったカーヴォロ・ネロ、キャベツ、じゃがいも、スイスチャード、塩少々、ミキサーにかけた豆、水気をきった丸ごとの豆を加えて再び水で覆い、中火で蓋をして30分煮る。野菜が十分柔らかくなって混ざり合うまで煮る。こうなったらパーネ・トスカーノを加えて2分沸騰せる。火から下ろして冷まし、休ませる。
・翌日、リボッリータと油少々を鍋に移し、唐辛子を加えて塩、こしょうで味を調える。
・弱火で約20分煮て水気を飛ばす。
・皿に盛り付けてトスカーナ産EVオリーブオイルをまわしかけ、生のトロペアの赤玉ねぎ1/2個の薄切りを散らす。

※この料理はパンがスープを吸って溶けるまで最低1~2日必要。
私はフォークで食べることができるくらい水気が少ないバージョン(アッシュッタasciutta)が好きだ。このスープはバジリカータ発祥のトリッパ(センマイ)がベースの歴史の古いスープに似ている。野菜は殆ど入っておらず、ペコリーノでつないで唯一の野菜、セネージ唐辛子のパプリカで調味する。質素だが風味豊かな1品だ。


確かに、リボッリータには肉が入っていないので、ベジタリアンでも食べることができるスープ。

農家で豆のスープをちょっとリッチにする時は、トリッパを加えるんですね。
これは次回のテーマに・・・。

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総合解説
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