お手頃価格でリチェッタをやたらたくさん集めた本、ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズの『ドルチ・ピエモンテージ』のリチェッタを訳してみます。
主に本に写真が収録されているものを訳しました。
まずはボルゴマネーロのブルッティ・マ・ブオニBrutti ma buonidi Bogomarero。
材料/4人分
アーモンド・・150g
砂糖・・160g
卵白・・2個
バニラパウダー・・少々
シナモンパウダー・・少々
・鍋で卵白を堅く泡立てる。
・さっくり混ぜながら砂糖、バニラ、シナモンを加える。
・挽いたヘーゼルナッツを加えて混ぜ、弱火で鍋肌から剥がれるようになるまで熱する。
・火から下ろしてくるみ大にまとめ、天板に並べる。
・160℃のオーブンで20分焼く。
本には「噛む骨」のリチェッタも載っています。
ボルゴマネーロの噛む骨/Ossa da morere di Borgomanero
材料/4人分
小麦粉・・150g
アーモンド・・100g
ヘーゼルナッツ・・100g
マルサラ・セッコ・・リキュールグラス1
バター・・20g
砂糖・・200g
・ヘーゼルナッ25gとアーモンド25gを半分に切る。
・残りのアーモンドとヘーゼルナッツを砂糖と一緒に細かい粉にする。
・この粉、小麦粉、マルサラ適量をこねて均質の生地にし、手であまり大きすぎない筒形にする。
・オーブンを200度に熱する。天板にバターを塗ってシートを敷く。
・生地を8つに切って天板に並べ、半分に切ったアーモンドとヘーゼルナツで飾る。
オーブンで30分焼き、焼き色がついたら冷まして天板から出す。
こちらのページによると、
ボルゴマネーロのパスティッチェーレが1869年に店のオープン記念に造り出したと言われている小麦粉が入らないナッツクッキーです。別名“噛む骨ossa da mordere”とも呼ばれるのですが、これは小麦粉を加えてとても硬くなったことを意味しています。
それにしても本のブルッティ・マ・ブオニの写真はちょっと衝撃的。美しさにこだわるイタリア人が美を放棄すると、小学生が作ったみたいに、こんなにぶちゃいくになっちゃうのか、というような姿です。
ボルゴマネーロは北ピエモンテのノヴァーラ県の街。
次はピエモンテがグルメでドルチェがおいしい州となった最大の要因。サヴォイア家ゆかりのもの。
薄々想像ついていると思いますが、あのお菓子です。
その名もサヴォイアルディ。
いかにもサヴォイア家の公認ドルチェ、フィンガービスケットことサヴォイアルディ。
この本には、サヴォイアルディについての話が詳細に記されているのですが、その殆どがイタリア王室の話なので、全然頭に入ってこない。
とりあえず、無骨なブルッティ・マ・ブオニの対局にあるような、繊細で高貴なビスケットです。
最近、オランダやスペインの王様を見て、その威風堂々ぶりに感動しましたが、イタリアの王家、サヴォイア家も立派な一族。
イタリアのロイヤルファミリーで一番有名なのはピッツァにその名を残すマルゲリータ王妃。
ビスケットのサヴォイアルディは、マルゲリータの息子、アメデオ5世が、1348年に神聖ローマ帝国の皇帝になった時、招待客のVIPのために開いた晩餐会で、あっと驚くような特別なドルチェを造ってもてなそう考えたマルゲリータの母心から生まれました。
会場となった雪を抱くサヴォイア家の城や周囲の山を再現した壮大なものだったようです。
こうしてサヴォイアルディは一気に有名になり、ロシア皇帝の宮殿でも作られたんだとか。
ドルチェで再現したのはこのサヴォイア家のシャンベリー城
サヴォイア家の料理人の名は、サヴォイア家の舞踏会のメニューの本を書いたことで知られるジョバンニ・ビアラルディGiovanni Vialardi。
ニューヨークで開かれたサヴァイア家のダンス・ガラ。
サヴォイアルディのラズベリーとクリーム詰めSavoiardi farciti con crema e mirtilli
材料/4人分
サヴォイアルディ・・24枚
ブルーベリー・・100g
クレーマ・パスティチェーラ・・250g
生クリーム・・大さじ2
粉糖・・大さじ1
・よく冷えた生クリームを電動ホイッパーで堅く泡立てながら砂糖を加える。
・クレーマ・パスティッチェーラに加えてさっくり混ぜる。
・これをサヴォイアルディ12枚に塗る。
・その上にブルーベリーをのせる。
・残りのサヴォイアルディ12枚を載せて軽く押し、接着させる。すぐにサーブする。
ビスコッティ、ブディーニ、クリーム、バヴァレーゼ、など、本にはピエモンテの貴族の暮らしを感じさせるようなドルチェが続きます。
次回はドルチ・アル・クッキアイオ。
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