1月号のお約束の季節物ですが、今年はついに、イタリアの現代っ子たちは、伝統の儀式を受け継いで年越しをする気はまったくない、ということがわかりましたよ。
記事の冒頭でまず断っているのは、新年のホームパーティーとは、行く年来る年を祝うのではなく、プチセレブ気分を味わえるエレガントでリッチな料理とワインを友人たちと大いに食べて飲みながらカウントダウンをするパーティ。
そのメニューは、まさに多国籍。
ゲストに振る舞う最初の飲み物、ウエルカム・ドリンクはサングリア・ビアンカです。
サングリアはイタリアでも大人気。
バリエーションは無数にありますが、今回はベースはモスカート・ダスティで、白いフルーツ、洋梨とりんごを入れて白さを際立たせています。
隠し味はリモンチェッロ。
サングリアの歴史を解説してます。
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伝統を全く無視するわけでもなく、ちゃんとレンズ豆とザクロという王道の縁起物食材も使っています。
レンズ豆は貝と一緒にサラダにして貝の殻に盛り付けて、持って歩ける前菜に。
ザクロは鴨の胸肉のセコンドのソースに。
鴨と言えばオレンジですが、ザクロの赤いソースも人気のよう。
下の動画は解説のリチェッタとは関係ありません。
鴨の胸肉のザクロソース/ANATRA AL MELOGRANO
鴨の胸肉・・2~3枚
熟したザクロ・・3個
ブランデー・・1/2カップ
ディジョンマスタード(好みで)
バター、塩、こしょう
・胸肉の皮に斜め格子状の切り込みを入れる。
・皮のない面にディジョンマスタードを塗る。
・油を加えずにフライパンで皮目から両面をこんがり焼く。
・ザクロ2個を半分に切って汁を搾る。3個めは粒を取り出す。
・胸肉が焼き上がったらアルミ箔で包んで休ませる。
・焼き汁にザクロの汁を加えて煮詰め、ブランデーを加えてアルコール分を飛ばす。
・火から下ろして冷えたバターと塩を加える。
・肉をスライスしてオーブン皿に入れる。
・熱いザクロのソースをかけてザクロの粒を散らす。
「総合解説」のリチェッタではブロッコリーの鮮やかな緑色のピューレを敷いているので、とても華やかな1品になっています。
プリーモは、エビのビスクと七面鳥のカネロニ。
セコンドの後のチーズは定番の盛り合わせではなく、チーズサブレにカマンベールと蜂蜜を絡めたドライフルーツをのせてオーブンで溶かした、その名もカマンベール・フオンデンテ。
トロトロカマンベールです。
トロトロチーズ入りパニョッタ
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デザートはパッションフルーツのクレーマ・ムスリーヌのミルフィーユ。
パッションは情熱のことじゃないんですよね。
キリストの受難でしたっけ。
めちゃキリスト教的フルーツでした。
おかげておしゃれなフレンチ風ドルチェでも全然気になりません。
マグロのパッションフルーツ風味
マグロのパッションフルーツ風味/Cubi di tonno al frutto della passione
・しょうゆ大さじ4、蜂蜜大さじ1、EVオリーブオイル大さじ1を混ぜてマグロのさく300gにからめる。
・ポップキノア30gをまぶして押さえる。
・EVオリーブオイルで片面40秒ずつ焼いて角切りにする。
・パッションフルーツ3個の中身とEVオリーブオイル大さじ1をミキサーにかけて漉す。
・皿にパッションフルーツのソースを敷き、その上にマグロを盛り付ける。
・ポップキノア、パッションフルーツの実、薄片の塩を散らす。
微妙に伝統を活かした、フランスとスペイン風味のおしゃれなメニューでした。
レンズ豆とザクロはまだ当分生き残りそうです。
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“年越しのホームパーティー”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2017年1/2月号P.2~に載っています。
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