2019年2月27日水曜日

21世紀のブラザートとストゥファート

今日はブラザートとスゥファートの話。
イタリアの冬の基本の料理です。

以前、このブログでも説明しています。(こちら)
3年前の記事ですが、今回訳した『クチーナ・イタリアーナ』の記事(今月の「総合解説」P.24)は、たった3年でイタリア料理が変化していることを感じさせる興味深い記事でした。

ブラザートbrasatoは炭という意味のbrasaが語源で、炭で鍋を覆って煮る料理でした。
一方、ストゥファートstuatoはストーブstufaで煮る料理。
3年前、イタリアの人たちは、両者の違いがよくわからない、と言っていました。

ストゥーファ
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暖炉で料理
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おばあちゃんの時代の薪用コンロ
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薪用コンロは生き残ったようですね。
ガスの火では出せない良さがあったのでしょう。
炭火で煮ている動画はみつかりませんでした。
もう絶滅したのでしょうか。

とにかく、炭も薪も、一昔前の、ガスコンロが普及する前の、言うならば明治の台所の話だったのです。
一昔前はその過渡期で、携帯に黒電話が駆逐されたように、炭や薪で料理することを知らない世代には、ブラザートもストゥファートも、なんのこっちゃ、だったのでしょうね。

イタリア中、ガスのコンロが当たり前になった現在、あえて炭や薪で料理しようとする人がいなくなった代わりに、ガスのコンロでブラザートやストゥファートと同じ効果を出す調理方法が研究されています。
さらには、コンロの持つ特徴を活かした調理方法も加えられるようになりました。
それが現代のブラザートとストゥファートなのです。

強火で焼いて焼き色をつけてからから、とろ火を保ってコトコト煮る、という調理方法が、ガスコンロが普及した現代だからこその料理だったとは、目からウロコでした。

炭火の調理を低温調理という方法で再現したブラザート。
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“ブラザートとストゥファート”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年11/12月号P.24に載っています。
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