前回のブログで、たまたま、カリフラワーのパスタのリチェッタを探していたら、メッザネッリというパスタに出会いました。
聞いたことのない名前だったのですが、ネットで調べるとナポリの伝統的パスタだということはすぐに分かりました。
多分聞いたことはあっても記憶に残っていなかったんだな、
なんて思いながら写真を見ると、穴開きパスタです。
実は、私が一番苦手なパスタはブカティーニ、つまり穴開きパスタ。
あまり広まらなかったパスタなんだなあ、なんて勝手に思いながら本をペラペラめくってみたら、
“MEZZANELLI LARDIATI”という料理を発見。
『パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』という本の1品でした。
南イタリアの人気店のパスタとシェフたちの人間性が伝わってくる、とてもおもしろいガンベロ・ロッソの本です。
ブカティーニより細くて腰がありそうなパスタです。
なんだかとても気になりました。
さらに調べてみると、ナポリの代表的、歴史的パスタの1つで、ラルドを使っているのがポイントのようです。
この料理が誕生したと言われている18世紀頃は、ナポリの農民にとって、豚の脂身というのは贅沢な食材でした。
自家製で塩漬けにして保存していたのです。
そのラルドが主役のこのパスタは、ご馳走でした。
この料理のポイントは、上質のラルドを手に入れること。
ラルドはナポリやイタリア中部の料理には欠かせない食材ですが、
現在のナポリでは、旧市街の一部の店でなら、ハイクオリティーのアルティジャナーレのラルドが手に入るそうです。
『パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』の”メッザネッリ・ラルディアーティ”では、コロンナータのラルドを使っています。
ご存知の通り、コロンナータはトスカーナ州。
本を読むと、
「お父さんのラルドがまだ出来上がっていなかったので、代用品として使いました」とくやしそうなコメントが。
リチェッタを提供したのはナポリの北にあるジュリアーノという町の、トラットリア・フェネスタ・ヴェルデのラウラとルイザ姉妹。
1948年創業の人気のトラットリアで、窓の縁の色が緑色だったことからこの店名をつけたのだそうです。
母親から娘へ受け継がれたリチェッタで料理を作る、紙に書かれたメニューはない、典型的なナポリの家族経営の店です。
ミラノ万博にもカンパーニア代表で参加。
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“メッザネッリ・ラルディアーティ”は、他のパスタ、ツィーティやペンネなどでも応用可。
ラルドは生ハムの脂身を使っている動画もありました。
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それではトラットリア・フェネスタ・ヴェルデのリチェッタをどうぞ。
【メッザネッリ・ラルディアーティ/MEZZANELLI LARDIATI】
材料/4人分
メッザネッリ・・350g
ラルド・スタジョナート・・200g
おろしたてのパルミジャーノ・・20g
玉ねぎ・・1/2個
バジリコ・・1束
塩
ラグー・ディ・カルネ;
ブロックの子牛肉・・150g
玉ねぎ・・1個
赤ワイン・・1/2カップ
トマトのパッサータ・・250g
EVオリーブオイル、塩
・ラグーを作る。テラコッタの鍋で玉ねぎのみじん切りを油大さじ2でソッフリットにする。色がつきだしたら子牛肉を加えて焼き色をつける。
ワインをかけてゆっくり弱火でアルコール分を飛ばし、トマトのパッサータを加えて塩をする。蓋をして弱火で半分に煮詰める(約2時間)。
・パスタをゆでる。その間にラルドのソースを作る。
・ラルドを覆っている余分な塩を落として細かく刻む。玉ねぎもみじん切りにする。
・フライパンにラルドと玉ねぎを入れて弱火で色がつかないように溶かし、ラルドがクリーム状になったら(約5分)レードル2杯のラグーとパスタのゆで汁大さじ1を加えてマンテカーレする。
・硬めのアルデンテにゆでたパスタをフライパンに加える。パルミジャーノも加えて1~2分強火で混ぜる。
・ちぎったバジリコを散らして熱々をサーブする。
ラルドのお勧めはコロンナータのラルドだそうです。
カンパーニア産ならカゼルタの黒豚のラルド。
カゼルタの黒豚のとんかつ
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