このオリーブの原産地ガエータは、ラツィオ州の町ですが、イタリア人を初めとする多くの人々の中では、ギリシャというイメージ。
おそらくそれは、ギリシャの植民都市でオリーブ栽培が広まって古代ローマに受け継がれた歴史のせいでしょう。
ガエータはギリシャ人が比較的初期に植民地化した町でしたが、ローマに近いという場所のせいか、ほどなくローマに征服されて皇帝たちお気に入りの避暑地となりました。
ギリシャ語では Καιέτα/カイエータと言うそうです。
オリーヴァ・イトラーナとして知られるガエータのオリーブ
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イトラーナという名前もいかにもギリシャのオリーブ的ですが、語源はラテン語で、イトラーナは、イトリとういうラツィオの町のことです。
イタリアのオリーブなのにギリシャ産みたい問題はまだあります。
「総合解説」でも指摘されていた“グレカ・ヴェルデ”。
直訳すればギリシャのグリーンオリーブ、という名前ですが、シチリアで栽培されています。
なぜこうなったのかは、腰を据えて調べないとはっきりしたことは言えないので、今回は深入りは避けます。
今回のテーマは料理用オリーブだったので、オリーブの料理でもさがしてみます。
代表的なのは「総合解説」でリチェッタを紹介しているサラダやフォカッチャ、アンティパスト。
グレカ・ヴェルデがシチリアで栽培されているというので、
“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズのシチリアを
パラパラめくってみたら、オリーヴェ・フリッテというのが目にとまりました。
アスコラーナのように衣をつけて揚げるのではなく、にんにく、タイム、ビネガー風味で10分素揚げにした黒オリーブです。
唐辛子やフィノッキエット・セルヴァティコ、玉ねぎを加えるバリエーションもあります。
バッカラもオリーブと相性が良い食材。
シチリア風バッカラは、クリスマスイブの伝統的料理。
玉ねぎのソッフリットにバッカラとワイン、トマトを加えて煮込み、じゃがいも、種抜き黒オリーブ、ケッパー、松の実、レーズンを加えてさらに煮込んだ1品。
バッカラのように白い食材には黒オリーブがよく映えます。
シチリアを代表するワイナリーのプラネタ家のリチェッタ集、
には、ブラックオリーブ入のオレンジのサラダが。
白いフィノッキオ、オレンジ、黒いオリーブのはっきりした色合いの地中海のサラダです。
オリーブはパスタととても相性が良いようで、リチェッタは地方料理も創作料理も、様々あります。
詳しくは次回に。
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“生食・料理用オリーブ”の生地の日本語訳は、「総合解説」2016年6月号に載っています。
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