今日のお題はグラッサーレglassare。
『クチーナ・イタリアーナ』の“スクオラ・ディ・クチーナ”の記事からです。
グラッサーレは料理をグラッサで覆って味を濃くして艶を出す調理方法のここと。
フライパンで肉や魚を調理することが少ないイタリア料理では少数派の、
フライパンで調理する基本のテクニック。
ベースは肉や魚の焼き汁。作り方の過程は、
・肉や魚の切り身を下ごしらえする。
・焼き汁をデグラッサーレdeglassareして焼き汁やメイラード反応した焦げを溶かす。
・小麦粉(繊維があるので不透明なソースになる)やデンプン(透明なソースになる)、生クリーム(脂肪分とソースの水分が乳化してとろみがつく)などを加えてつなぎながら煮詰めてボティーを出す。
・火を止めたら仕上げに香草や香料を加える。
と、基本中の基本。
この料理に適した食材は、薄切り肉や筒切りの魚。
子牛のスカロッピーネ、白ワインソース
↓
イタリア料理の初心者向き本を見ると、セコンドの入門は、まず鶏や鴨の解体から。
イタリア料理の入門書としてイタリアで昔から人気の本、『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』
によると、肉のセコンドは、まず鳥pollameから、
鶏、鴨、七面鳥、ガチョウ、鳩、うずら、ホロホロチョウ、雉の解体の仕方、
オーブン焼きやグリル用下ごしらえ
そしてブロードのとり方、
と続いていきます。
鶏の次がカルネcarneです。
薄切り肉の料理には、なかなかたどりつかない。
ロースト、牛肉のブラザート、オーブン焼き、ボッリート・ミストなどの地方料理が次々と紹介されて、初めて登場したフライパン料理は、レバーのヴェネチア風でした。
薄切り肉を使った伝統料理の代表はサルティンボッカ。
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かなり変形版ですが、基本はグラッサーレ。
子牛肉のマルサラ風味もそう。
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グラッサーレとはちょっと違うけれど、フライパンを使った薄切り肉料理の1つ、ナポリ料理の肉のピッツァイオーラ風。
鶏から豚肉までどんな肉にも合います。
動画は牛肉版。
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鋳鉄の鍋にトマトソースを入れてその中に薄切りの牛肉を広げて煮ています。
こ、これひょっとして、基本はすき焼きと同じではないですか。
学会に発表したくなるレベル。
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“グラッサーレ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年4月号に載っています。
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