正確には、スーギ・ディ・パスタ・ナツィオナーリ。
訳すと、国民的パスタソース、という意味です。
イタリアの国民的パスタソース。
当然、日本でもよく知られていて、いわゆるイタリア料理のイメージを代表するパスタソースです。
イタリア料理を語る上で、もっとも基本となるものです。
さて、あなただったら、何を挙げますか?
本に書かれていたのは、ラグー・アッラ・ボロニェーゼ、アマトリチャーナ、カルボナーラ、ペスト・ジェノヴェーゼ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、カーチョ・エ・ペペ、フレッシュトマトとバジリコ、アッラ・マリナーラ、ヴォンゴレ、プッタネスカ、ノルマといったラインナップ。
日本でも人気のものばかりですね。
北から南までありますが、主にラツィオとカンパーニアの伝統パスタソースです。
これらの伝統的なものの他に、もっと新しい、アッラ・コンタディーナ、アッラ・ボスカイオーラ、アッラ・アッラッビアータなどがあります。
さらに歴史的に見れば、イタリアのパスタソースには、トマト化という大きな転換期がありました。
1例を挙げれば、グリーチャにトマトが加わってアマトリチャーナになったようなことです。
イタリアのパスタソースには、野菜のソースという独特の分野もあります。
カルチョーフィ、ファーヴェ、ファジョーリ、ズッキーネ、フィオーリ・ディ・ズッカ、メランザーネ、ブロッコリ、チーメ・ディ・ラパ、チコリエッレといったイタリア野菜や、カポナティーナ、ケッパーとオリーブなどです。
国民的パスタソース、面白いテーマですね。
今後、「総合解説」で取り上げてみようかな。
販売している料理書の中から、国民的パスタソースのリチェッタを集めて訳す、というのはどうでょしょう。
少し先になると思いますが、急にやる気が出てきました。
需要があるといいのですが。
ソースの話をしたら、切っても切れないのがパスタの話です。
最近、リチェッタを訳していてとても目につくのが、パスタをリゾットと同じテクニックで作る料理です。
アーリオ・オーリオやカーチョ・エ・ぺぺのようなシンプルなソースの基本のテクニックですが、最近では、グランシェフの料理を中心にあらゆるパスタに広まっています。
パスタの一番新しいトレンドかも、と感じています。
パスタ・リゾッタータ
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リゾッタータには、イタリア人が求めるパスタの特徴が表れていると感じています。
この作り方だと、パスタからでんぷんが溶け出て、煮汁にとろみがつきます。
ただし、でんぷんがたくさん溶け出せばいい、という訳ではありません。
例えば、イタリア人がリゾットに使うのは、わざわざでんぷんの量を少なくしたアルボーリオやカルナローリといった品種の米です。
パスタをゆでる時にパスタからゆで汁に溶け出る成分は、ソースの味にも影響します。
さらにゆでる温度や長さなど、ゆで方によって溶け出る成分にも違いがあります。
何が溶け出るかは、麺を何度で何時間乾燥させるか、何製のダイスを使うかなど、パスタの製法や原材料によっても違います。
ゆでた時に麺がどれだけでんぷんに覆われているかなんて、考えたことなかったけど、パスタのゆで方の話になると、イタリアではでんぷんという言葉がキーワードになっているような気がします。
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パスタリゾッタータ、鍋のへりにくっつくパスタを気にしながらまあこういう作り方があることに驚きました。パスタをゆでる時、パスタが傷つかないようあまりいじらないと習ったのにこれはまあ木べらでぐるぐるいじること!リゾットも初めに習った時は、米からでんぷんがなるべく出ないよう最後にバターやチーズを混ぜ入れる以外は米がブロードを吸っていくのをじっと見守るようにと教わったのにシェフによってはぐるぐるかき混ぜっぱなしで仕上げる人もいました。要するにおいしければいい!の世界なのですね。パスタリゾッタータ、食べてみたくなりました。あっそれから今、簡単なソース、パスタエオリア、結構はまっています。
返信削除Italiamama
Italiamamaさん
返信削除最近は、リゾッタータの方法で作るリチェッタが本当に多くなりました。
グランシェフほど多用しているようです。
アルティジャナーレでブロンズのダイスを通した表面がざらざらの高級パスタじゃないと、適量のでんぷんを溶け出させることができなから、高級店でも使いやすいのかも。
アーリオ・オーリオで€60取るには、かなり高級な麺を使わないと納得できないし。
それにしても、家庭料理がルーツのイタリア料理にマニュアルは皆無ですね。
パスタのゆで方は、誰に教わったわけでもないので、いまだに時々疑問が生まれます。