アニョロッティ・デル・プリンとアニョロッティはどこが違うのか。
という疑問が生まれた今回のお題。
ピエモンテ州の公式見解により、どうやらアニョロッティは、ピエモンテ人にはクリスマスの特別な思い出と強く結びついていて、単なるパスタを超えた料理であることが分りました。
『VIE DEI SAPORI PIEMONTE LIGURIA VALLE D'AOSTA』という、地元料理に詳しい一流シェフたちの料理を集めた本には、アニョロッティ・デル・プリンは、さすがに代表的なピエモンテ料理と言えるだけあって、様々なシェフのリチェッタが載っています。
そんな中でただ一人、2種類のアニョロッティのリチェッタを発表しているシェフがいました。
1つは“アニョロッティ・デル・プリン”、
もう1つは“アニョロッティ・ディ・マーグロ”です。
どうやらこの違いを分析すれば、最初の疑問の答えも見つかるのでは。
このシェフ、相当ピエモンテ料理を研究してますよー。
クーネオ県のリストランテ・ピエル・ブッセッティのピエルさんです。
ちなみにシェフは現在、モスクワや香港でコンサルタントとして活躍中。
こんなシェフ
↓
なーるほど、1品目はパプリカの皮にツナを詰めたラヴィオリです。
2品目は青リンゴをパスタに見立てた青リンゴのタヤリン。
どうやら伝統を研究してモダンでオリジナルな料理を生み出す才能がある人のようですね。
そういう目で見ると、彼の2つのアニョロッティのうち、プリンの方はピエモンテ人が郷愁を感じる正統派で、マーグロは現代人の味覚に合わせて、ピエモンテ以外の人にも価値の分るアニョロッティということになります。
二つのアニョロッティの違いは詰め物とソースです。
正統派の詰め物は、子牛肉、豚肉、ほうれん草がベース。
詰め物をのせたら生地をつまんで閉じます。
ソースはバターとローストの肉汁。
ちなみに、彼のではないですが、正統派デル・プリンのリチェッタは「総合解説」にも載せています。
オリジナルのマーグロは、ホウレン草とリコッタ。
生地はつまむのではなくカッターでカットします。
ソースはバターとチーズ。
どうやら、アニョロッティ・デル・プリンと名乗るものは、伝統的な詰め物とソースもセットになっているんですねー。
シェフによっては、違う詰め物でもアニョロッティ・デル・プリンと名付けている人もいます。
その場合はいずれも、地元の貴重で特殊なチーズやトリュフなどの食材を詰め物やソースにして、ゴージャス感を出しています。
ピエモンテでアニョロッティ・デル・プリン食べたくなってきたー。
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“アニョロッティ・デル・プリン”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年12月号に載っています。
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