わーん、赤い月も月食も忘れてて見れなかったー。
残念。
でも、その前日は満月だったとか。
ということは、今は下弦の月の時期ですよね。
どうも天体のことはさっぱり自信がないんですが、たぶんそうですよね。
ということは、前回のお題で取り上げたラディッキオなど、家庭菜園で栽培しようと思っているなら、種蒔きの時期ですよー。
ちなみに、ラディッキオは一年中いつでも種蒔きできます。
さて、話は変わって、今回のお題は、スポンジ生地です。
イタリア語でスポンジ生地はPan di Spagna。
パン・ディ・スパーニャ、スペインのパン、です。
しかも、フランス語だと、pâte à génoise。
パータ・ジェノワーズ、ジェノヴァの生地。
ジェノヴァ名物のスポンジ生地のケーキと言えば、サクリパンティーナ。
↓
と言うわけで、スポンジ生地になぜスペインやジェノヴァの名前がついているのか、サクリパンティーナから探ってみました。
『カルロ・クラッコの地方料理』では、リグーリアのドルチェとして、サクリパンティーナを取り上げています。
クラッコシェフの説明によると、
パン・ディ・スパーニャは、スペイン王に捧げるためにジェノヴァ人のクオーコ・パスティッチェーレによって考え出されたもの。
スペインの宮廷にジェノヴァ大使と同行した彼が、王の誕生日に特別なケーキを作るように依頼されて考え出したもの。
さらに、彼に敬意を表してジェノヴァの生地、と呼ばれるようになりました。
イタリア人にしてみれば、世界中でジェノヴェーゼと呼ばれている生地なのに、なぜイタリアではそう呼ばれないのか、不思議、というか不満、という声もあります。
確かにごもっとも。
なんでパスタ・ジェノヴェーゼじゃなくて、スペインのパンなんでしょうか。
ぶっちゃけ、当時(18世紀半ば)の力関係が影響していたのでは、と私は睨んでます。
世界初のスポンジ生地のケーキをプレゼントされたのは、スペインのフェルディナンド6世。
スペインは没落期に入っていたとはいえ、その直前までは黄金の世紀と呼ばれる輝かしい繁栄期。
イタリアの小さな共和国ジェノヴァは、フランスの支配からスペインによって解放され、貿易と金融業でスペインと共に発展して、スペイン経済に大きく依存していました。
スペインの没落はジェノヴァの没落をも意味します。
スペイン王へのお祝いのケーキにも、「ジェノヴァをよろしくお願いします」という強い思いが込められていたんでしょうねー。
ちなみに、スポンジ生地は、サヴォイアルディからアイデアを得て作られた、とイタリアのwikiには書いてあります(こちら)。
でも、そこで登場するのがサクリパンティーナです。
これはスポンジ生地のケーキなので、もしこちらのほうがスポンジ生地より先にあったなら、サヴォィアルディ説は怪しくなります。
ジェノヴァのリストランテ・ダ・アンドレアのサクリパンティーナ
↓
サクリパンティーナも伝説に満ちたドルチェのようです。
その話は次回に。
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