2014年3月24日月曜日

ムスカリの球根


今日はイタリア便りです。
それでは、segnalibroさん、お願いしまーす。


去年の春、初めて八百屋さんの軒先で見たとき、これはもしかして里芋じゃないのか!!
と、私をぬか喜びさせたもの。
それがこれ。




札にはLampascioniと書いてありました。
ランパショーニって何?
ネットで検索すると、プーリア州周辺で食されている食用ムスカリLampascioneの球根なのだとわかりました。
茶碗蒸しに入れる、ユリ根みたいなものかしら?
わからないけど、とりあえず購入。
人生、チャレンジが必要ですよね!




イタリアは、国土の約1/3が山岳地帯なのですが、プーリア州のそれはわずか1.5%。
残りの98.5%は平野か丘陵地帯。
降り注ぐ太陽のおかげもあって、プーリア州ではおいしい作物が収穫できるのですけれど、多分、これもその一つに違いない!!
プーリア州中部からバジリカータ州マテーラにかけては、カルスト台地が広がっていて、ランパショーネはそこに自生する野生の球根なのだとか。

レシピを検索し、トップに出てきた『ランパショーニのポルペッテ』を作ってみることにしました。
www.youtube.com/watch?v=q_LD2pl1A5w
ランパショーネ500gを下処理し、圧力鍋なら約30分、そうでないなら1時間半ゆでて、フォークで潰す。
卵6個、ペコリーノチーズ、にんにく1片、塩、イタリアンパセリ、小麦粉と混ぜ合わせ、スプーンで落としながら油で揚げる、というもの。

玉ねぎみたいに皮をむいたランパショーニは、少しぬめりがあって、やっぱり里芋風。
このレシピによると、ゆでた球根にオリーブオイルをかけただけでもアンティパストの一品になるのだとか。
なるほど。試してみよう。
ユリ根や里芋を想像しつつ、ゆであがったものを味見してみると・・・

げげっ。購入したことを深く後悔するような、すんごい苦みが口の中に広がりました。
これは、たっぷりの卵やチーズが必要なはずやわ・・・。 思わず捨ててしまいたくなりそうな気持ちを押さえ、そのまま調理続行。
めったに揚げものをしない、超素人の一品が出来上がりました。



これ、揚げたては、ほろ苦でいけるー。
子供の頃、野原でたくさん取ったツクシの卵とじを思い出すような、そんなほろ苦さです。
冷めてしまうと苦味は徐々に戻ってきますが、ルーコラとかラディッキオとか、ちょっぴり苦味がある野菜を好むイタリア人が好きそうな、なるほどな味だと納得しました。
1年に1度くらいは食べたいかも。

さて、この一部始終を、お花を愛する日本の友人達に話したところ、一斉砲撃されました。
ムスカリって、可愛らしい花が咲く、あのムスカリ?
食べれるの?
日本では、球根は毒があるから食べたらいけないって言われてるよ。

え、どうしよう。食べちゃったよ。私の体、大丈夫か?

あれから1年が経ちましたが、どうやら私の体、大丈夫なようです。
よかったー。
でも、大丈夫っていうことは、ムスカリの球根ではないのか?と思い、今年は水栽培してみました。




やっぱりムスカリですよね?
ランパショーネは、遺伝子学的にざっくり分けると、アスパラと同じ部類に入るのだそうです。
そう思うと、やっぱり食用可な種類があるのかも?
ちなみにこれ以外の食べ方としては、オイル漬け、フリッタータ(卵焼き)、素揚げ、子羊とじゃがいもと一緒にオーブンで焼いて付け合わせにしたりするようです。
アクを抜くために、1時間水にさらすというレシピもありました。
小玉ねぎだと思って今まで気にとめていませんでしたが、よく見ると、スーパーにも瓶入りランパショーニの酢漬けが売られていました。



小玉ねぎだと思って食べると、驚くこと間違いなしです。


ハハ、今回も楽しいエピソードでしたねえ。
ランパッショーニを初めて食べた日本人は、好きか嫌いか、どっちかですよね。
私は嫌い。
水栽培するほど、また食べる気満々のようですが、その栽培したやつ、食べた?
さすがにムスカリの球根としては食べないか。
野生のルーコラとか、チコーリアとかは、ほろ苦さが特徴だけど、栽培したものは多分苦さが弱まって、少し食べやすくなってるんじゃない?
でも、苦くないランパッショーニなんてランパッショーニじゃないしなあ。

ちなみに、イタリアでサトイモはtaroじゃないかなあ。
料理書で見かけたことは一度もありません。

みなさん、こんなsegnalibroさんに温かい突っ込みコメント、お待ちしてま~す。
お気軽にどうぞ。



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2 件のコメント:

  1. かなり前の記事ですね。
    私はランパッショーニ大好きです。3ー5日間、朝晩水を変えながら漬けてアク抜きした後、グリルにのせてオーブンで焼きます。きつね色になって皮がパリッとしたら取り出して熱い落ちにまな板の上で包丁の背でグシャッと潰して、オリーブ油と粗塩を降るだけです。義姉が教えてくれまた方法ですが、苦味もすっかり抜けて香ばしくて美味しいですよ。

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    1. Kiriさま

      コメントありがとうございます。

      お義姉様のレシピ、シンプルなのに、とっても美味しそう。外はカリカリ、中はトロッとなんて、これはもう絶対間違いないやつですね。
      来春、是非試してみます!
      素敵なレシピを教えていただき、感謝です♪

      segnalibro

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