2013年2月4日月曜日

なすの名前の由来

なすの話ですが、イタリア語でなすは?
そう、メランザーネですね。
melanzane。
なんでも、原産地であるインドのサンスクリットの言葉、vatignanaが語源で、これがアラビア語のbadnjanになり、アラブから地中海世界に伝わって、スペインではalberengenaになり、フランスではaubergineになり、イタリアではmelanzaneになったのでした。


イタリアに伝わったのは日本よりずっと後。
イタリア語のmelanzaneは、mela insana「狂ったりんご」という言葉に発音が近く、生のなすに含まれるソラニンによる軽い苦みがあることなどから、伝わった当初は大衆からは常に不信感を抱かれました。

ちなみに、なすはなす科なす属の植物ですが、学名はSolanaceae solanumで、どんだけソラニンが怖かったんですかねえ。
同じ属の他の植物、トマトやじゃがいもにもソラニンはあります。

そうそう、英語でなすは?
eggplantエッグプラント。
卵の樹?

Eggplants-9902


なるほど、こう見えていたのか。
 ↓
EGGPLANT ?


なすは一品だけで調理しても美味しいし、組み合わせる相手を選ばず、どんな食材とも相性が良い万能野菜ですよね。

今日のなす料理は、『パルミジャーナ・イン・ビアンコ』。
パルミジャーナは定番なす料理の一つ。

パルミジャーナと言う名前でも、パルマ料理ではありません。
しかも、パルミジャーノ・レッジャーノを使っているからこう呼ばれるわけでもない。
料理名や発祥地についてはあいまいなことしかわかっていない不思議な料理ですが、今では赤いトマトソースの色と、揚げて中はトロリ、外は芳ばしいなす、モッツァレッラなどのフレッシュで濃厚なチーズ、新鮮なバジリコ、の組み合わせが、典型的な地中海料理のイメージとなって広まっています。
 ↓
Parmigiana di melanzane




イン・ビアンコは、白いパルミジャーノという意味。
トマトソースが入りません。
それだけでもかなり印象が変わります。
こんな料理

赤いパルミジャーナより簡単にできますが、見栄えの派手さは今ひとつ。
表面にいかに美しくこんがりと美味しそうな焼き色を付けるかが、この料理のポイントかも。

パルミジャーナは、バリエーションがとても豊富。
なす以外の野菜でも、作ることができるし、ベシャメルを使う、ハムを入れるなど、作る人のアイデア次第で色々な料理に発展しますね。
 

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関連雑誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年7月号、“パルミジャーナ・ビアンコ”のリチェッタを含む“なすの新家庭料理”の記事は、「総合解説」2011年7月号に載っています。

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2 件のコメント:

  1. はじめまして、あべべと申します。

    パスタ好き、料理好きが講じて、イタリア料理を勉強していて、週末には家族をまきこんで拙い料理を試食させています。笑



    ほんやく三味、とても魅力的なブログですね~

    出版関係のお仕事をされているだけあって、誤字脱字もほとんどなく、読みやすく文章もとても上手で楽しく拝見しています。

    通勤電車で毎日スマートフォンで、2008年の初回投稿から一巡拝見し、現在は二巡目に入っています。笑



    クレアパッソを是非読んでみたいと思い、少しばかりバックナンバーを注文させていただきました。

    それによっては、今後、定期購読もしてみたいと思っています。



    よろしくお願いします。

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  2. Abebeeさん
    はじめまして。
    2008年からですか。
    リンク切れがたくさんあって読みずらいはずと思いますが、読んでいただけたなんて、感激です。
    実は、このブログの前にもう1つ、個人的な趣味のブログもやってました。
    ネタはイタリア料理中心でしたが。

    長くやってると、マンネリ化やネタ切れで、やめたくなった時は数知れず。
    でも、その度にいただいたコメントのおかげで踏みとどまり、もっと頑張るぞー、とパワーをいただけました。
    すべては、おいしいイタリア料理が食べたい、この一心のためです。

    Abebeさんの料理が食べれるご家族は幸せですね~。








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