パンの粉や発酵について書いてきましたが、基本的なパンの製法は、こねる、
発酵、焼成の3段階。
おそらく、それは日本とイタリアで大した違いはないと思われるので、詳しいことは省略します。
その次は、パンと料理の関係。
つまり、パンの味は、作られる場所の食文化と密接に関係している、というテーマです。
『IL LIBRO DEL PANE』には、なかなか興味深い分析が載っています。
生ハムを多用するなど塩気が効いて力強いトスカーナ料理には、いわゆる“パーネ・ショッコ”(塩気がないパン)が一番よく合う。
南部の料理は、スパイスをたっぷり入れるので、セーモラ(硬質小麦粉)の甘さがよく合う。
ロンバルディアやピエモンテのように重いソースをかけるリッチな料理には、クラムがたっぷりあるパンが必要だ。
魚がベースのコース料理には、オリーブやオリーブオイル入りパン、
サラミや生ハム類にはエミリア地方の伝統的パンのような生地の硬いパン、
フォアグラにはフランスのブリオッシュ・パン、
チーズはナッツ入りの熱いパン、
といった具合です。
そういえば、プーリアの港で漁師さんが売っているウニを立ち喰いで食べた時、一緒に分厚くスライスしたパンを、ほいっと渡されたっけなあ。
プーリアのパンですから、セーモラの、とても香ばしい、クラムのたっぷりある素朴でボリューミーなパンでしたが、小粒のウニの海の香りや塩気と、柔らかい歯ごたえ、それと地中海の港で立ち食いという雰囲気にぴったり合って、白ワインにも会いそうで、まさに素敵な組み合わせした。
アルゲーロ(サルデーニャ)の港でのイベント。
長さ50mにウニ10kgをのせたフォカッチャを作ろうとしている。
意外そうでも、サルデーニャの港で食べれば美味しいに違いない。
↓
オリーブオイル、またはオリーブ入りのパンpane all'olioは、代表的な地中海風パンの代名詞
Panini all'olio
↓
トッピングは、白ごま、ポピーシード、平らに潰したフォカッチーネは粗塩。
次はパンのサービスの仕方。
まず、サービスする前にスライスして、直径10cm以下の小皿に盛り付けます。
パン皿を置く位置は左上。
食べる時は手でちぎります。
テーブルでパンを切ったり噛みちぎったりするのはマナー違反。
グリッシーニでもです。
パンを足すのはホステス(ホストがお父さんならお母さん)の役目。
クロスを敷いたかごか銀のトレーに入れて、トングでつまんで移します。
デザートが運ばれる前にパンくずを掃除するのも、ホステスの役目。
次回はイタリア各地のパンについてです。
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