リグーリア料理の話が続きます。
今日はズッキーニの料理。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。
↓全部ズッキーニ
ズッキーニはイタリア料理には欠かせない野菜ですが、元をたどれば中央アメリカ生まれ。
コロンブスがヨーロッパに持ち帰った様々なカボチャの1つでした。
セイヨウカボチャとは別の、ペポカポチャが先祖です。
そのペポカボチャが時間をかけて品種改良されて、ズッキーニになった訳です。
言うならば、アメリカ生まれ、イタリア育ち。
でも、いつ、どこで、誰がズッキーニを作り出したのか、といった話は不明。
それほど昔のことではないということは分かっています。
“ズッキーニ”は英語の呼び方ですが、イタリア語では“ズッキーナzucchina/ズッキーネzucchine”。
由来だけでなく、この名前もあいまいで、19世紀末になっても、ズッキーノかズッキーナか決まらずに、当時の辞書には両方の名前が載っています。
アメリカの市場にズッキーニが出回るようになったのは、30年ほど前のことだとか。
英語の場合、アメリカではイタリア語系でズッキーニと呼びますが、イギリスではフランス語系でコージェットと呼びます。
どちらも小さなカボチャという意味は変わりません。
歴史が短いせいか、イタリアの地方料理の中でズッキーニが主役を張っている有名な料理は、それほど多くはありません。
そんな中で、ズッキーニの地方料理として比較的知られているものの1つが、リグーリアのズッキーニのトルタ、“トルタ・ディ・ズッキーネ”です。
このトルタは、小麦粉とオリーブオイルの生地に、ズッキーニ、玉ねぎのソッフリット、米、パルミジャーノ、卵を混ぜた詰め物を詰めてオーブンで焼いたもの。
『サーレ・エ・ペペ』では、“トロンベッタtrombetta”という品種のズッキーニを使う、と書いてあります。
トロンベッタはこんなズッキーニ。
リグーリアの特産品です。
中でも、西海岸のアルベンガはトロンベッタの代表的な産地。
アルペンガのイベントでも紹介されています。
長さが40cmになったら収穫する長ーいズッキーニ。
味は普通のズッキーニよりマイルドで軽い甘みがあり、実はもっと締まっています。
カボチャとズッキーニの中間のような味と言う人も。
リグーリアに行ったら、ファリナータやパニッサだけでなく、このズッキーニも要チェックですね。
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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2008年7月号
ズッキーニのトルタを含む“夏の家庭料理”の記事は、「総合解説」'08&'09年7月号に載っています。
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