アトランティックサーモンの話、その2です。
現在、市場に流通しているアトランティックサーモンの95%は養殖物なんだそうです。
ヨーロッパでもっとも一般的なサケ、アトランティックサーモンについて、『ガンベロ・ロッソ』では、「それまでグルメの贅沢品だったアトランティックサーモンは、養殖の普及によってブロイラーの鶏と同じレベルの食材になった」と言っています。
日本のスーパーでもお馴染みのこの魚。
養殖はどのように行われているのでしょうか。
まず、天然のアトランティックサーモンは、川で卵からかえり、1~数年を淡水で過ごします。
その後大西洋に出て、1~4年後、産卵のために再び川に帰る、という一生。
一方養殖物は、採卵、受精、そして孵化。
稚魚で12~20ヶ月経った後、海のいけすに移します。
いけすは網で二重に囲まれていて、この中で約2年過ごします。
そして出荷。
↓ノルウェーの養殖場。
BGMのペール・ギュントが印象的。
↓タスマニア(オーストラリア)の養殖場。
ノルウェーでもオーストラリアでも、サーモンの養殖は一大産業となっています。
いけすから出た瞬間から箱詰めされるまで、ずっとベルトコンベアの上。
確かにブロイラーですね。
天然と養殖のサケでは、運動量が違うし、餌も違います。
天然物の身は締まっていて、美しい自然なピンク色です。
養殖物は、脂肪は天然物の倍以上あって、色は合成アスタキサンチンや天然着色剤でピンク色にしています。
養殖物でも、フィヨルドの深い入り江で波や海流から守られているノルウェー産はもっとも脂肪分が多く、大海の海流の中で育てられているスコットランド産はもっとも少ないのだそうです。
と言っても違いは2~3%程度。
養殖物は、やはり産地で品質や味を判断することになりますね。
ノルウェーに次いでアトランティックサーモンの養殖が盛んなチリについては、ネット上ではネガティブな情報が多いのが気になる所です。
さて、このアトランティックサーモン、スモークサーモンにはピッタリの魚ですよね。
サーモンをスモークする方法は、みなさん多分よくご存じ。
では、工場で大量生産されるスモークサーモンは、どうやって作るかご存知ですか?
意外と知らないかも。
次はスモークサーモンの話です。
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