今日は聖人の話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。
イタリアには、様々な聖人がいますよね。
町ごとに守護聖人がいるし、365日違う“その日の聖人”もいるし。
聖人には伝説がつきものですが、聖人ゆかりの食べ物、というのもたくさんあるんですねえ。
『サーレ・エ・ペペ』では、聖人にまつわる食べ物のいくつかを紹介しています。
その中に、イイダコの聖ジェンナーロ風という、なかなか美味しそうな料理が捧げられている聖人がいます。
ナポリの守護聖人、聖ジェンナーロSan Gennaroです。
今もナポリの人たちから熱い信仰が寄せられている聖ジェンナーロ。
いったいどんな聖人なのでしょうか。
こちらのサイトによると・・・。
聖ジェンナーロは、キリスト教徒が迫害されていた紀元300年頃の人で、ナポリの隣のベネヴェントの司教だったと言われています。
305年、捕えられた知り合いの助祭を弁護しようとして自らも捕らえられ、打ち首の刑になりました。
ローマ帝国でキリスト教が公認されたのは313年、国教と定められたのは380年なので、迫害の最後の時期に殉教した人だったんですね。
この聖人の遺物と言われている物の中に、小びんが2つあります。
その中には固形の物体が入っているのですが、これは聖ジェンナーロの血液であると信じられています。
しかもこの血液、年に3回、液体になるのだそうです。
言い伝えによると、この血が最初に液体になったのは、キリスト教を公認したコンスタンティヌス1世の時代だそう。
1389年の聖母マリアの被昇天の日には、この小びんが大衆に公開され、血が液体になる奇跡を助けようとして大勢の人が行進を行ったという記録が残っています。
現在、この小びんはナポリのドゥオモに保管されています。
2つのびんのうち1つは半分空で、なんとブルボン王朝のカルロ3世が中身をスペインに持っていってしまったのだそうです。
血が液体になるのは、5月の第1日曜の前日の土曜日とそれに続く8日間、聖人が殉教した9月19日から8日間、そして12月16日。
液体になるとナポリには吉兆で、液体にならないと災いが起こると信じられています。
そのためこの儀式には、今も大勢の信者が奇跡を起こすために集まります。
去年の9月19日の様子。
はたして液体になったのか!
よく見えないけれど、みんな喜んでいるから奇跡は無事に起きたようですね。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年11月号
イイダコの聖ジェンナーロ風を含む“聖人の料理”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。
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