今日もカンティーナの話。
『VS』の記事の解説です。
ワイナリーを経営する貴族の話をしていますが、今日は、アルト・アディジェでマニンコールを経営する伯爵家をご紹介。
マニンコールは、ピノ・ノワール100%のマソンなどで知られるカンティーナ。
そして経営者はこの方。
ミヒャエル・ゴーエス=エンツェンベルク伯爵。
なんでも、父方は、オーストリアの爵位の高い貴族の家系。
母方は、18世紀に女帝マリア・テレジアの代わりにチロル地方を治めてアルト・アディジェを開拓した伝説の人物、カシアン・イグナツ・エンツェンペルクの家系なんだそうです。
エンツェンベルク家は、この伝説のご先祖の功績で伯爵に叙せられました。
ミヒャエル氏の国籍は、オーストリアでしょうか。
奥様のソフィーさんもオーストリア人。
愛妻家のワイナリーには必ずありますねえ、奥様の名前のワイン。
マニンコールのソフィーは、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエの白。
マニンコールというのは、アルト・アディジェにある農場の名前です。
1608年に、ヒエロニムス・マニンコール・ツー・エーレンハウゼンによって造られました。
1662年に、マニンコール家とエンツェンベルク家が結婚して、農場はエンツェンベルク家の所有になります。
まったく、イタリアワインの話とは思えない、聞きなれない名前が並びますねえ。
もっとも、南チロル地方は、第一次大戦でイタリア領になるまでは、ずっとオーストリア領でした。
第二次大戦終了時に、住民が、イタリアの一部でいるよりオーストリア領に復帰したい、と望むほど、オーストリアとの結びつきは強い地域です。
さて、ミヒャエル伯爵ですが、この人、すごいです。
まず、ドイツでワイン醸造学を学び、その後、カリフォルニアのワイナリーで1年働き、フィレンツェで1年間イタリア語を勉強し、アルト・アディジェワイン業界の大物、アロイス・ラゲーデルの流通部門アシスタントとして2年間働いています。
こうして様々な分野で経験を積み、さて、いよいよ自分のワイナリーに着手。
50年間一族の間では忘れ去られていたマニンコールの農場を、復活させたのです。
しかも、ただワインを造るだけではありません。
あっと驚く発想でワイナリーを建てて、年間1万人が訪れる注目の場所にしてしまったのです。
その発想とは、カンティーナを畑の下にもぐらせる、というもの。
カンティーナもテロワールの一部、という思いを形にしたものなのだそうです。
自然との共生というテーマが、見事に具現化されています。
こちらがカンティーナを上から見たところ。
中央の黒い部分が、ワイナリーの入り口。
その真上はぶどう畑です。
こちらはテイスティング室。
そして下は、先週upされた動画。
マニンコールの畑から、「日本のみなさん、コンニチハ♪」
伯爵もかい。
いろんな伯爵がいるもんですねえ。
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関連誌;『VS』2008年7月号
「マニンコール」の記事は「総合解説」'07&'08年7月号に載っています。
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ワインはアドヴァイザーに任せているんですが、ドンナ・マルツィアも出したことがあり人気がありました、お客さん方ドンナと最初につくものですから、親父ギャグ連発してました(笑)。
返信削除動画の畑を見ると、サンテミリオンやポムロールの畑を駆けずり回ったことを思い出します、時々、野ウサギを見るんです。
ここのカンティーナのスタッフさん、日本語が上手ですね、日本はいいお客様なんでしょうか、オーナーも家系も経歴も凄いですね。
そういえばこの間、アドヴァイザーから連絡があって行ったらサンテミリオンのカンティーナのオーナーと輸入元の方がいてワインの説明をしていました、日本に来てほとんどが英語で仏語は使わないそうなんです、ちょっと意外でした、なんと私が住んでいたLibourneに自宅があるそうで話が長く盛り上がりました、アドヴァイザーが「なんの話をしてるんですか?」私「ワインの話ですよ」「違うと思うなぁーワインの話をして下さい」と言われちゃいました(笑)。
彼が言うには去年のプラスチックボトルのボージョレー・ヌーヴォ、フランスのお偉いさんに怒られたそうで今年からまたガラスになると言ってました。
今月はイタリアのカンティーナの方が来られるそうで、どの地方から来るのでしょうね。
vittorioさん
返信削除ドンナ・マルツィアでギャグ連発とは、お客さん、のりが関西系ですねえ(笑)
動画の女の子、片言の日本語が可愛いですよね。
伯爵も気さくそうで、なんだか親しみが持てるカンティーナです。
私も、以前イタリア製品の輸入の仕事をしていた時は、英語でやり取りしてました。
フランス人もイタリア人も、こういう仕事の人は英語ペラペラですよね。
ボージョレー、プラスチックだと500円ぐらい安くなったんでしょうかねえ。
それなら1本余計に買ってたかも。
ワインを仕入れるのもレストランのお仕事とは言え、美味しいワインが味見できて、ワイナリーの人の話が聞けるなんて、うらやましいかぎりです。