今回から、スパゲッティの歴史編です。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年6月号の特集は、「メイド・イン・イタリー」。
イタリアが世界に誇る輸出食品を紹介しています。
2004年から2006年の統計(Istat)によると、イタリアでは、農業自体の生産量は減少傾向にあるものの、農産物加工品の輸出額は少しずつ増えていました。
2006年の輸出額は、世界の農産物加工品輸出国の中では、中国に次いで第9位。
ただ、輸入と輸出では、2007年の統計では輸入の方が約7%超過しています。
食品輸出国と言えども、輸出しなければ自国の消費量はとても賄いきれないのですね。
そして2008年のリーマン・ショック。
世界規模の経済危機は、イタリアの食品業界も直撃したようです。
こちらの記事によると、2009年の農産物加工品の輸出額は、前年と比べて4.9%の減少。
2010年に入って最初の2ヶ月の輸出額は2.6%上昇したようですが、その後に、今度はギリシャの債務危機など、EU圏は再び厳しい局面に突入。
ただ、このところのユーロ安は、EUの輸出産業にとってはプラスで、景気回復の要因になるとの見方もあるようですね。
荒波にもまれているイタリアの食品業界ですが、イタリアが誇る輸出食品には、どんなものがあるのでしょぅか。
2007年の統計(Istat)によると、輸出額が最も多いのは青果類。
2位は僅差でワイン。
そして3位がパスタ。
金額はワインの半分弱。
この場合のパスタとは、加熱済みのもの、詰め物入りのもの、調理済みのものも含みます。
さらにチーズと乳製品、オリーブオイル、トマトとトマトソース、チョコレートとカカオベース製品、生ハムなど豚牛肉製品、コーヒー類、果汁類、米、ミネラルウオーター、ジェラート、ビネガーと続きます。
イタリア産パスタの最大の輸出先はドイツです。
総輸出額の21%を占めています。
次はフランスで13%。
日本はアメリカに次いで5位で5%。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』によると、アメリカで最初にパスタを輸入したのは、第3代大統領のトーマス・ジェファーソンなんだそうです。
1800年頃に大統領だった人です。
ラシュモア山の大統領の彫像、左から二人目がジェファーソン
photo by dean.franklin
イタリアのパスタが初めて日本に輸入されたのは、いつ頃なんでしょうねえ。
ひょっとしたら、戦後にアメリカ経由で輸入されたなんていうのもありでしょうか。
スパゲッティの歴史の話をする時に、避けては通れないのがパスタの起源。
次回はこの話です。
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年6月号
“パスタ”の記事の解説は「総合解説」07&08年6月号に載っています。
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