2010年4月15日木曜日

シーザーサラダ

今日はシーザーサラダの話。
『ガンベロ・ロッソ』の解説です。



シーザーサラダ, photo by WordRidden


シーザーサラダは、もちろんイタリア料理ではないですよね。
でも、そのルーツを思えばイタリア系料理であることは間違いなし。

何しろ、考え出したのがサンディエゴのイタリア系移民、チェーザレ・カルディーニさんですから。

この人

wikiによると、彼は、1896年イタリアのマッジョーレ湖地方の生まれ。
ヨーロッパで飲食業に従事した後、20代でアメリカに渡り、レストランを開きます。
当時のアメリカは禁酒法の時代だったため、法律の影響を受けないメキシコのティフアナにも出店。
きっと、元々やり手のレストラン経営者だったんですね。

シーザーサラダの誕生にはいくつか説があるようですが、一番有名なのが、チェーザレさんの娘が語った話。

ティフアナはアメリカ人、特にハリウッドのセレブがやって来る場所でした。
彼の店、シーザーズ・プレイスは、1924年の7月4日(アメリカの独立記念日)も大繁盛。
厨房では食材をあらかた使いつくしてしまいました。
そこでチェーザレさんが考え出したのが、材料はあり合わせだけれど、それを客の前でサラダにしてみせるワゴンサービススタイル。
これがあっという間にアメリカ人観光客の間に広まって、一躍名物料理となったのでした。


そのあり合わせの材料というのが、見る人が見ればまさにイタリアン。

まず何と言っても、ロメインレタス、イタリア語でいえばラットゥーガ・ロマーナ。
そしてパルメザンチーズ、というかパルミジャーノ。
さらにはクルトン、イタリア語ならクロスティーニ。
調味はオリーブオイル、レモン汁、にんにく、ビネガー、卵、アンチョビー(オリジナルレシピには入っていない)、塩、こしょうに、ウスターソースを加える所だけアメリカン。


シーザーサラダはチェーザレさんが作ったサラダだから、イタリア語で言うなら“インサラータ・チェーザレ”。
でも、イタリアでもこの料理はやっぱりシーザーサラダと言うんですねえ。
イタリアで食べるシーザーサラダは、いわば逆輸入サラダ?


現在のティフアナのホテル・シーザーズのシーザーサラダ。







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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2008年5月号
シーザーサラダの話は、「総合解説」07&08年5月号、「定番のサラダ」に登場します。

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4 件のコメント:

  1. シーザーサラダってそういう生い立ちがあったんですね、禁酒法って私には大変な法律ですね(笑)

    実は私はヨーロッパに行く前にカメリエーレ経験がありました、クレープシュゼットやシーザーサラダもワゴンサーウ゛ィスでやってました、シーザーサラダの場合は大きめのガラスのボールで作ってました、グラハムカーのようにお客様の前でやってました、結構お客様には定評だったのですが、後で黒服主任に「ここはホテルだもっと上品にしなさい」と注意されました(笑)

    ある日私がシーザーサラダを作っているとき、隣のお客様にワインをサーブしているカメリエーレがいました、彼はワインのボトルをお客様の前で開けるのは初めてでした、ボトルの確認が終わってコルクも開けていないのにいきなり「ご試飲下さい」と言ってみたり、開ける時コルクが半分にもぎれてしまい半分はボトルについたままで、お客様爆笑されて頭中が真っ白になってしまったんでしょう(笑)

    後で裏で主任に怒られビシ、ビシという音と共に「お前がコルクを開ける時は茶漉が必要だなぁー」と言われてました、付いたままの半分のコルク押し込んでボトルの中に入れてしまったようです。
    シーザーサラダっていまだに人気がありますよね
    、ワゴンサーウ゛ィスでやっている所いまだにあるんですかねぇ?

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  2. Vittorioさん
    元々のシーザーサラダは、てきとーな材料を仰々しく作って立派な料理に見せる、という発想で生まれたサラダだったみたいですねえ。
    つまりワゴンサービスがポイントだったわけで。
    いつの間にかワゴンサービスが消えて、サラダだけが残ったのかあ。
    さっきNHKでやってたけど、日本にレタスを初めて持ち込んだのはマッカーサーで、レタスを使った最初のサラダはシーザーサラダだったんだそうですね。
    帝国ホテルのシーザーサラダ、お客の前で作ってました。
    グラハム・カーより超まじめに作ってましたよ(笑)

    新人さん、コルクがお客の前で割れちゃったら、そりゃショックですねえ。
    たまにそういうシーンに出会うと、ガンバレ!と励ましてあげたくなります。

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  3. 初レタスはマッカーサー元帥で、シーザーサラダだったのですか、教えて頂きありがとうございます、

    私が唯一会話ができる常連さんが昔GHQに働いていたんです、今度来た時話してみたいです、

    ワインのコルクは私も他人事ではありませんでした、柔らかくすぐもぎれそうだったり、固くて抜けなかったり、まだ一般のホテルにソムリエがいなかった時代ですから(笑)

    そのカメリエーレは私の一つ上の先輩だったんです、サービスを希望だったんですがベルボーイを長くさせられたり、私は調理希望だったんですが私だけサービスを延長させられたり意地悪なホテルだなぁーと思っていましたが、今思えば彼は英語がペラペラに、私はワゴンサービスとかいろいろ貴重な体験をさせて頂きました。

    帝国ホテル、私がいたホテルのお手本になってたホテルでした。

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  4. Vittorioさん
    ホテルのサービスは、完璧にできて当たり前というか、王道というイメージがあって、ワインのサービスもさりげなくてクールですよね。
    でも、修行中はみなさん苦労してるんですねえ。
    超不器用な私からすれば、サービス用のフォークとスプーンをお箸のように片手で扱える人は、みんなマジシャンに見えます。
    尊敬します。

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