今日は“チーマ”の話。
『サーレ・エ・ぺぺ』の解説です。
代表的なリグーリア料理の一つ、チーマ・リピエーナ。
出荷を待つ市販品のチーマ・リピエーナ, photo by edera
チーマ・アッラ・ジェノヴェーゼとも言いますが、略してチーマでも通じます。
チーマとは、子牛の胸肉のこと。
標準語ではプンタ・ディ・ペットと呼ばれる部位で、ボッリートには最適です。
ここ。
そもそもイタリアでは、子牛の胸肉を肉屋で売っているし、チーマ用にして欲しいと頼めば袋状にしてくれるので、チーマを家庭で作る人も少なくないよう。
日本で子牛の胸肉料理を家庭で作るというのは、まずあり得ないですよねえ。
今ひとつなじみが薄い料理ですが、イタリア料理に関心のある人なら、リグーリアの代表的な郷土料理として聞いたことはあるはず。
リチェッタは人によって少なからず違いますが、とりあえずイメージがつかめるような動画を2つどうぞ。
1つ目は本格的な伝統的チーマ・ジェノヴェーゼ。
無口で頑固な母としっかり者の娘風の親子シェフが作ります。
ジェノヴァの都市部では卵がたっぷり入った黄色い詰め物で、郊外の内陸部ではビエトラなどの野菜が入るので緑色の詰め物なんだそうです。
今回は卵が12個入った都会風。
詰め物は、バターとローリエで炒めた子牛肉・ゆでた子牛の胸肉・バターで軽く焼き色がつくまで弱火で炒めたリードヴォー(全部粗く刻む)、生のグリーンピース、ピスタチオ、にんじんとズッキーニの小角切り、マジョラム・にんにく・きのこのみじん切り、おろしたパルミジャーノ、ブロード・ディ・カルネに浸して絞ったパン、卵、塩、こしょう。
袋にする肉にはヴィテッローネの胸肉を使っていますが、これが圧巻。
ゆでる湯に塩は加えません。
チーマは冷製料理。
冷まして詰め物に含まれているブロードをしっかり出してからスライスします。
2つ目はもう少しお手軽なリチェッタ。
エルベッテ入りの緑の詰め物のバージョンです。
詰め物は、解凍して刻んだエルベッテ、卵、おろしたチーズ、パン、小角切りにしてゆでた香味野菜とグリーンピース、塩、こしょう、マジョラム。
これを肉に詰めたらオーブンシートでキャラメル形に包み、ブロードで30~40分ゆでます。
チーマの話、次回に続きます。
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関連誌;『チーレ・エ・ペペ』2007年5月号
「チーマ・リピエーナ」のリチェッタは「総合解説」'07&'08年5月号に載っています。
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