今日はフィノッキオ・セルヴァティコ編です。
フィノッキオ・セルヴァティコ(フィノッキエット)を使った代表的な料理の一つは、パレルモのイワシのパスタ、パスタ・コン・レ・サルデ。
フィノッキエットたっぷりのイワシのパスタ, photo by u m a m i
イタリアでイワシのパスタと言えば、普通はこの、シチリア風のフィノッキエット入りパスタのこと。
イタリアで、フィノッキエットが入っていないイワシのパスタというのは少数派なんじゃないでしょうか。
だから、日本でイワシのパスタを作ろうとしても、フィノッキエットが手に入らないと、ただのイワシのパスタになっちゃうんですねー。
パレルモでこの料理を食べると、日本人とイタリア人の魚に対する考え方って、やっぱり違うんだなあ、と思わずにはいられません。
何しろ味も香りも、とにかく強い!
きっと生のイワシの香りが、とことん嫌いなんですね。
魚の生臭さをフィノッキエットの強い香りで消してしまえー、という感じですよ。
6人分でイワシ500gに対して、フィノッキエットも500g入れます。
魚のデリケートな味を味わう、という発想は、少なくともイワシのパスタにはないですね。
しかも、イワシもフィノッキエットも全部ぐちゃぐちゃにするので、味だけでなく、見た目も男前。
イワシとフィノッキエットのシンプルな組み合わせなら、それもありかなとは思うのですが、パレルモのイワシのパスタの主な材料は、イワシ、塩漬けアンチョビー、フィノッキエット、玉ねぎ、レーズン、松の実、サフラン、パン粉。
シチリア的な、かなりエキゾチックな組み合わせですよ。
・まず、玉ねぎ1個、アンチョビー6尾、レーズン70g、松の実30gをオイルでソッフリットにします。
・そこにゆでて刻んだフィノッキエットとそのゆで汁少々、こしょう、サフランを加えて10分煮ます。
・次に、切り身にしたイワシを入れて15分煮ます。
・仕上げにオリーブオイルをかけます。
・ブカティーニをゆでてイワシとフィノッキエットで和え、皿に盛りつけたら、オリーブオイルと砂糖少々(好みで)で炒めたパン粉を散らします。
(パレルモのOsteria Paradisoのリチェッタ)
日本人でこのパスタの味を出せる人は、ある意味、シチリア料理を極めた人なんじゃないでしょうか。
なんにせよ、パレルモの代表的な料理の一つですから、パレルモに行ったら一度は食べてみないとね。
こちらはフィノッキエットのコンキリエ。
これもすごい量のフィノッキエットですねえ。
フィノッキエットも、使い方によってはこんな上品なパスタになります。
フィノッキエットのタリアテッレ
・にんにくとバジリコをオリーブオイルでソッフリットにし、刻んだフィノッキエットと生クリームを加えて熱します。
・ゆでたタリアテッレとゆで汁少々を加えてなじませ、こしょう、おろしたチーズ、フィノッキエットを散らします。
お勧めのワインはシチリアのシャルドネだって。
いいですね。
フィノッキエット入りサーモンのパイ
フィノッキエットのフリッター
空豆、フィノッキエット、リコッタのスパゲッティ
フィノッキエットとローストアーモンドのペーストのブカティーニ
サルシッチャのフィノッキエット風味
フィノッキエットと言えば、ポルケッタも忘れちゃいけません。
中にたっぷり詰まってます。
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ちょっと山の方に行くと雑草のようにしげっているフィノッキエットも日本では手に入らないですよね、このイワシの太めのパスタ、私は大好きです、私は飲み助なので、この一皿でシャルドネ一本は飲めちゃいます(笑)(笑)。
返信削除Vittorioさん
返信削除イワシのパスタでシャルドネ1本!
やっぱり男前の食べ方と飲み方が似合う料理だー(笑)
パレルモのオステリーアのイワシのパスタの美味しさが分かる人は、味覚がかなりシチリア人的ですよ、きっと。あっ、もちろんこれは誉めてるんですよ~。