今日はフィロ生地の話。
前回は、オーストリアから伝わったストゥルーデルのそのまたルーツは、トルコのバクラヴァという菓子らしい、という話をしました。
そのバクラヴァに使われているのがフィロ生地。
イタリア語では pasta fillo パスタ・フィッロ。
バクラヴァ
フィロ生地は、イタリアでは比較的浸透している食材で、料理書にもよく登場します。
アスパラガスの具のフィロ生地のカンノリッキ、チーズのサルサ
photo by frabattista
フィロ生地のミッレフォーリエ、タイとじゃがいもの詰め物
マンゴーとパイナップルのフィロ生地パイ
鶏肉ときのこ詰めフィロ生地パイ
フィロ生地の挽肉巻き
フィロ生地はトルコ辺りが発祥地のパイ生地の一種。
紙のように薄いのが特徴で、名前の語源もギリシャ語で「葉」や「紙」という意味の言葉。
中東だけでなく、欧米にも広まっています。
冷凍フィロ生地ができるまでの動画、その1(英語)
3:39あたりから始まります。
ちなみに前半は鶏の孵化場の様子。
動物残酷物語系が嫌いな人は見ないように。
この動画の説明によると、材料は、小麦粉60%と水40%。
小麦粉はたんぱく質の量が違う2種類の粉をミックス。
手作りの場合と機械で作る場合の両方を紹介しています。
手作りの場合は手で2.5m四方に伸ばしながらティッシュペーパーの薄さ!に伸ばします。
冷凍フィロ生地ができるまで、その2
1:20まで。
小麦粉と水がベースの中東系の生地で、イタリアでたまに見かけるのが、カダイフ。
イタリアではカタイフィ kataifi と呼ぶようです。
小麦粉と水の生地を麺状にした、ビーフンのような食材です。
シュレッデッド・フィロとも呼びます。
これを使ったお菓子もカダイフという名前。
カタイフィ
カダイフ作り
以前、2008年5月15日のブログでも、カダイフを使った料理を紹介したことがあります。
プーリアの、オステリーア・ジャ・ソット・ラルコ Osteria già sotto l'arco という店の一品でした。
「ブッラータのカダイフ包み、トマト、マルティーナ・フランカ産カポコッロ、オリーブのクレーマ、ドライトマト添え」。
現在配本中の『V&S』誌にも、カダイフを使った料理が紹介されています。
やはりプーリアの、パンタグルエーレ Pantagruele という店の料理です。
「空豆のピューレ、カタイフとビエトリーネ添え」
空豆のピューレもビエトリーネも、プーリアの典型的な食材。
カダイフとプーリアの関係も、なくはないんですよね。
カダイフは、パレスチナ地方が発祥地なんだそうです。
パレスチナは、かつてヨーロッパから十字軍が渡ってエルサレム王国を築いた地。
その十字軍の中継地となったのがプーリアでした。
プーリアには、今でも十字軍関連の遺跡がたくさん残っています。
この店があるブリンディジは、ギリシャとイタリアとを結ぶ港のある場所。
昔からプーリアは、イタリアより東のギリシャやトルコ、パレスチナと交流があった地方。
そんなことを考えると、この料理に、何か壮大な歴史を感じたりして・・・。
パンタグルエーレ Pantagruele:Salita di Ripalta 1/5, Brindisi
tel.0831.560605
土曜昼と日曜定休
-------------------------------------------------------
関連誌:『V&S』'07年11月号
パンタグルエーレが紹介されている記事、“サレント半島の店”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.31に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
フィロ生地のことは全然知らないなぁと思っていたら、カタイフって食べたぞ、どっかで。しかし作り方おもしろすぎ。見てみたいなぁ。プーリアでも見られるのかなぁ。あんな大がかりなのはないか。しかし、プーリアの店、良さそうですね。ワインが500種類って、スノッブなのかなぁ…。あとあの野菜、ビエトリーネっていうんですか、おいしそう。
返信削除くるりさん
返信削除カタイフィの作り方、面白いですよねー。世界にはいろんな麺があるもんですよね。多分、プーリアで作ってる人はいないだろうなあ。
ビエトリーネはふだん草の若葉の一種です。エルベッテとも言います。
プーリアのレストランでおもしろそうなのが、ガッリーポリの“ラ・プリターテLa Puritate”。サレント半島の魚料理の店では一番、という声もあるそうですよ。
野菜、この前買ったちぢみほうれん草に似てますが、味はどうかな?ガッリーポリは、去年連れが行きたがっていたのですが、前に行った時にあまりいい思い出がなかったのと、サレント半島は日程的無理だったので却下。でも次回はmustになりそう。なので、いい店教えて頂きました。ありがとうございます。
返信削除くるりさん
返信削除おっしゃる通り、ほうれん草に似てます。
La Puritate : via Sant'Elia 18, Gallipoli, tel.0833.264205
こんばんは
返信削除カダイフはウチでも使っています、
ウチで使っているのはフランス産でパッケージにcheveux d'angeと書いてあります、イタリア語だったらcapelli dell'angeloなんですかねぇ~
素敵な名前です、メニューにも使わせてもらっています、
繊細な食感はフィロ·ブリックとは異なって、これもいい感じです。
こんばんは
返信削除カダイフはウチでも使っています、
ウチで使っているのはフランス産でパッケージにcheveux d'angeと書いてあります、イタリア語だったらcapelli dell'angeloなんですかねぇ~
素敵な名前です、メニューにも使わせてもらっています、
繊細な食感はフィロ·ブリックとは異なって、これもいい感じです。
Vittorioさん
返信削除カダイフってフィロを千切りにしたものかと思ってました。
こんな風に作るなんて、今回のために調べるまで知りませんでしたよー。
こういう食材をメニューに取り入れているお店っていいですねえ。食べに行きたい!