イタリアの天日塩の話、最終回です。
イタリアで現在稼働中の塩田は4地域。
プーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイア、ロマーニャのチェルヴィア、シチリアのトラーパニ地方、そして4つめは、サルデーニャのサンタンティオコの塩田。
サンタンティオコはサルデーニャの南東の端にある島で、イタリアで4番目に大きな島。
隣には、マグロ漁の“マッタンツァ”で有名なサン・ピエトロ島があります。
サンタンティオコ島には美しい砂浜がたくさんあり、ビーチリゾートとしても人気。
でもその割には観光客が少なめで、ちょっとした穴場なんだとか。
海も空ま真っ青のサンタンティオコ島
潟の夕暮れ時
島の伝統的な衣装
塩田は、正確には島にあるのではなく、島の向かい側の、サルデーニャ島のコルティオイスという所にあります。
サンタンティオコの塩田
この塩田は、以前はイタリアたばこ法人が所有していましたが、現在は大部分がSalapia Saleという企業に買収されています。
この企業はプーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイアの塩田も所有していて、本拠地もマルゲリータ・ディ・サヴォイアにあります。
資本の5%はマルゲリータ・ディ・サヴォイア市の出資。
海塩だけでなく、トスカーナのヴォルテッラにある岩塩の鉱山も所有している大企業です。
つまり、実際の経営はプーリア側に握られている訳です。
Salapia Saleが、マルゲリータ・ディ・サヴォイアやサンタンティオコの株式を取得したのは2003年のこと。
その後リストラなども行っていて、効率重視路線が一段と強くなっているようです。
サルデーニャの塩は、主に工業用に使われていますが、家庭用の塩もあります。
プーリアの塩と同様、安定した品質とお手頃な価格、というイメージでしょうか。
家庭用の塩は、各メーカーがこの塩田の塩を仕入れて加工して販売しているので、市場には様々なタイプのサルデーニャの塩があります。
今後サルデーニャの塩がどのような姿になっていくかは、経営者のプーリア側とサルデーニャの塩業界との関係次第ですね。
おまけ
車エビの岩塩焼き。
ブランデーで火をつけて・・・。
うちの生ハムは未精製の海塩しか使いません
イタリアの塩事情は、なかなか複雑なようですねー。
大量に出回っているのは、日本と同じで、天日塩を仕入れて、それを一度溶かしてから再び塩にした再生加工塩。
イタリアの天日塩は、大きく分けると、近代的な設備で大量生産した塩と、伝統的な製法で作られた自然のままの塩の2種類。
伝統的な製法の塩の中でも、すべて手作業ともなると数倍の値段。
安い手作り塩というのはあり得ないんですねえ。
どうやら、単純に産地だけで塩を判断することはできない様子。
そう思って改めてイタリアの塩を日本のサイトで探してみたら、天日塩を加工したものがほとんどなんですね。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年11月号(クレアパッソで販売中)
“世界の塩、イタリアの塩”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.16に載っています。
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こんにちは、イタリアのお塩で完全天日干しで自然保護地区域でとれるお塩はトラパニだけでしょうか?そこのお塩には水素焼成サンゴも含まれていますでしょうか?
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