『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。
ナポリの料理とレストランを紹介する『クチーナ・エ・ヴィーニ』のこの記事に、こんな文章があります。
19世紀後半の有名な写真家兄弟、フラテッリ・アリナーリの写真には、100年前のナポリの路地で、大きな鍋から手づかみでスパゲッティを高く取り出して、皿に盛っている男の姿を写したものがある。 彼らは“マッケロナーロ”と呼ばれた。 ナポリの庶民は、チーズを軽くかけたゆでたてのパスタを彼らから買って、家の戸口で、麺を人差し指と親指でつまんで食べた。 貧しいストリートフードだ。 しかし、市民の顔は明るく、惨めさは全くない。 マッケロナーロは、まるでトロフィーのようにスパゲッティを高く掲げている。 貧しくても自分たちを憐れむ気持ちはみじんもなく、必要最低限のものがあれば十分だという心意気は、ナポリと食べ物の関係をよく表している。 |
その写真は、たぶんこれです。
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flickr.com
ちょっと衝撃的ですね~。
同じフラテッリ・アリナーリの写真で、こんなのもあります。
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napoliontheroad.it
こうやって路上でパスタを売って、それを手づかみで食べるというのは、19世紀末から20世紀初めにかけての南イタリアでは、別に珍しいことではありませんでした。
でも、なんだか食べにくそう。
spaghettitaliani.com
flickr.com
endlesssimmer.com
当時はイタリア中の広場や路上で、さまざまな人が店を出して商売をしていたそうです。
靴磨き、散髪屋さんやパーマ屋さんなどは想像つきますが、すごいのが牛乳屋さん。
なんと牛を連れていて、注文があったらその場で搾ってたんだそうですよ。
これがその写真。
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handprints.alinari.it
これもアリナーリの有名な写真、ナポリのフルーツ売り。
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shopping24.ilsole24ore.com
100年前のイタリアの様々な働く人々の姿を写したアリナーリの写真はこちら。
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handprints.alinari.it
フラテッリ・アリナーリ Fratelli Alinari とは、1852年にアリナーリ3兄弟がフィレンツェで始めたイタリアで最初の写真館で、現在も様々なメディアで活動を続けています。
フィレンツェのアリナーリ国立写真博物館
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mnaf.it
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年10月号
“ナポリ~料理とレストランガイド”の記事は、「総合解説」'06&'07年10月号、P.28に載っています。
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これ、本当に衝撃的ですね。でもこれも南北格差なのか、南北関係なく階級差によるものなのか・・・。
返信削除夏にバジリカータで手づかみで肉を食べていた女性がいて、ちょっと衝撃を受けたもので。
南北&階級格差、ほーんとその通りですねー。
返信削除にしても、くるりさんが知ってるバジリカータって超ディープな世界ですねえ。刺身食べてる国の一般人には、胃腸薬と強ーい酒が必要かも。