今日は、なすのパルミジャーナの話。
なすのパルミジャーナ, photo by Francesca
揚げたなす、トマトソース、とろけるチーズという、夏の地中海を象徴するような料理、パルミジャーナ。
『ア・ターヴォラ』6月号 で取り上げています。
記事では、過去の文献を参考に、パルミジャーナのルーツはナポリではないか、という説を紹介していますが、シチリアの料理としても知られていますよね。
あるサイトでは、「この料理はシチリア料理。なんでナポリ料理だと思うのか、理解できない」と言ったシチリア人に、ナポリ人が、「シチリアにおいしいなす料理はいっぱいあるけれど、この料理だけは絶対ナポリ料理!」と反論したり、熱い本家論争が繰り広げられていました。
まあ、南イタリア料理、ということでいいですよね。
それと、この料理を語る時に避けては通れないのが「パルミジャーナ」という名前の意味。
チーズのパルミジャーノ・レッジャーノとは何の関係もないことは知られていますが、じゃあ、何と関係があるんでしょう。
wikiでは、“パルミジャーナ”という名前は、シャッターやよろい窓という意味のpersianaのシチリア方言、parmeciana(パルメチアーナ)という言葉が語源、と紹介されています。
なすが何層にも重なっている状態が、よろい窓のようだと・・・。
↓
よろい窓(ガラリ窓), photo by Stefano Mortellaro
一応、「パルマの人が野菜を重ねて焼くのが得意だったから、パルマ風という名前になった、という誤った説も一部にある」、とも書いてありますねえ。
この説が間違いだという根拠は・・・
パルマ風なら「メランザーネ・アッラ・パルミジャーナ(パルマ風なす) melanzane alla parmigiana」となる。
しかし、この料理の名前は「パルミジャーナ・ディ・メランザーネ parmigiana di melanzane (なすのパルミジャーナ)」のほうが一般的。
だからこの説は誤りだ
という訳です。
なかなか説得力あるなあ。
パルミジャーナにはいろんなバリエーションがありますが、その一つがゆで卵入り。
ゆで卵入りパルミジャーナ, photo by IsiaT
そしてズッキーニのパルミジャーナ。
www.misya.info
トマトソースなしでハムが入るパルミジャーナ・ビアンカ。
www.misya.info
おまけ。
英語で“チキン・パルミジャーナ”と言えば、チキンチーズカツレツ。
イタリア料理のパルミジャーナとは、何の関係もありませ~ん。
メルボルンのBull and Bear TavernのChicken Parmigiana, photo by Alpha
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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
“パルミジャーナ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」'06&'07年6月号、P.5に載っています。
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