2013年10月31日木曜日

ハロウィン

今日はハロウィンか。
ハロウィンについては、今年はすでに6月に取り上げています(こちら)。
日本のスーパーでは、ハロウィンはカボチャのファンシーなお菓子を売りまくる日として定着しそうな予感。
第二のバレンタインデーを狙ってるんでしょうか。
カボチャ業界は張り切るだろうなあ。

ハロウィン後進国のイタリアでも、ハロウィン向けのカボチャのお菓子、たくさん考え出されていますよー。
中には、日本のお菓子業界はからはきれいさっぱり抜け落ちている観点、怖がらせる、というテーマが強ずぎて、グロイのも多いのですが、とりあえず、可愛いのをご紹介。

ジャッロ・ザッフェラーノのお菓子はいつもとってもカワイイ♪
オレンジ色に着色した小さなビニェにハムとクリームチーズのムースを詰めたズッカ・ミステリオーザ。





お次はちっょとグロイカップケーキ。
なんと、ラングドシャに十字架を描いてチョコレートカップケーキに刺しただけで、バンパイアのお墓みたいになります。




今やイタリアのハロウィンの定番お菓子となりつつある、魔女の指。
やけにリアルできもい、けど面白い。




Dolcetto scherzetto?

こんなカワイイ子供たちに、魔女の指を出したら、大喜びされそう。






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2013年10月28日月曜日

マエストロ・マッサーリ

今日は、ガンベロ・ロッソの『パスティッチェーリ&パスティッチェリーア2012』で高得点を獲得したパスティッチェーレたちの話。

まずは、最高点、93/100点。
ブレッシャのパスティッチェリーア・ヴェネトのイジニオ・マッサーリ氏。

マエストロ・マッサーリ。
ピッコラ・アレーナという新作ドルチェを説明しています。
 ↓



一目見たら忘れないような、強い印象に残る面持ちの人ですねー。
若手の育成にも力を注いでいて、イタリアパスティッチェーリ界の重鎮といったところ。
アカデミア・マエストリ・パステイッチェーリ・イタリアーニの創設者です。
ガンベロ・ロッソだけでなく、多くの人が、イタリア最高のパスティッチェーレだと認めています。

マエストロ・マッサーリの作品の数々

彼のティラミスのリチッタを載せいてるブログ(こちら)があったので、訳してみます。

ティラミスの写真はこちら


イジニオ・マッサーリのティラミス  Tiramisú di Iginio Massari
材料:
サヴォイアルディ;
 卵黄 ・・100g
 砂糖・・45g
 バニラビーンズ・・1/2本
 卵白・・145g
 砂糖・・40g
 00タイプの小麦粉 ・・70g
 片栗粉・・23g
 バニラビーンズ・・1/2本

・卵黄、砂糖45g、バニラの種をホイップする。
・別に卵白と砂糖40gを堅く泡立てる。
・小麦粉と片栗粉を一緒に振るう。
・泡立てた卵白の1/3を泡立てた卵黄に加えてさっくり混ぜる。ここに粉の半量を加える。
・さらに泡立てた卵白の、残りの粉、残りの泡立てた卵白の順で加えて艶のあるソフトで軽い生地にする。
・直径10mmの丸口金を付けた絞り袋に入れ、オーブンシートを敷いた天板に長さ8~10cmの棒状に絞り出す。
・グラニュー糖を振りかけ、その上から粉糖を振りかけて覆う。
・生地を隣につけて絞り出して1枚の生地のように焼き、あとで切って使ってもよい。
・220度のオーブンに入れ、扉を開けて蒸気を逃しながら10分焼く。私はティースプーンをドアストッパーにしている。
・焼き色がついたらオーブンから出して冷ます。
材料:
クレーマ・ティラミス
 クレーマ・パスティッチェーラ ・・375g
 板ゼラチン・・3g
 マスカルポーネ・・500g
 7分立ての生クリーム・・500g
 
クレーマ・パステイッチェーラ
 牛乳 ・・500g
 砂糖・・150g
 00タイプの小麦粉・・50g
 卵黄・・100g(約5個)
 バニラビーンズ・・1/2本
 ノーワックスレモンの皮のすりおろし・・適量


・クレーマ・パスティッチェーラを作る。
・牛乳を鍋に入れて火にかける。
・卵黄、砂糖45g、バニラの種、レモンの皮を白くなるまでホイップする。
・ふるった小麦粉を加えてさらにホイツプする。
・牛乳が沸騰したらホイップした卵黄を加えて煮詰める。
・煮詰まったらガラスの容器に移す。
・冷めて45度程度になったら水でふやかして絞ったゼラチンを加えてホイッパーで混ぜる。
・マスカルポーネをホイッパーで混ぜて柔らかくする。
・生クリームを泡立てて艶のあるホイップクリームにし、マスカルポーネに加える。
・クケーマ・パスティッチェーラが35度になったらマスカルポーネクリームを加えてさっくり混ぜ、冷蔵庫で30分冷やして安定させる。
シロップ
 コーヒー ・・150g
 砂糖・・110g
 コーヒーリキュール・・50g
 

・コーヒーをいれて熱いうちに砂糖を加えて溶かす。
・冷めたらリキュールを加える。
・直径22cm戦のセルクルの内側をアセテートで覆い、オーブンシートを敷いた天板にのせる。
・直径20cmのセルクルにサヴォイアルディを詰めて22cmのセルクルの中央に置き、シロップを塗る。 ・クリームを2つのセルクルの間に絞り出し、さらに表面も絞り出して1cm程度覆う。
・その上にサヴォイアルディをもう1段のせてシロップを塗り、クリームで覆って表面を平らにする。
・表面はサントノーレ口金を付けた絞り袋でクリームを絞り出して飾った。
・これを冷凍し、凍ったらビターコアパウダーを振り掛けてセルクルを抜く。
・長さ15mm程度に切ったサヴォイアルディにクリームをつけて側面の底部に張り付ける。
・冷蔵庫で最低5~6時間解凍する。


オリジナルのマスカルポーネクリームがポイントですね。


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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』“パスティッチェーリ&パスティッチェリーエ2012”の記事の解説は「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月24日木曜日

カステルヴェトラーノのオリーブ

今日はオリーブオイルの話。

カステルヴェトラーノのオリーブオイルの記事を訳していたら、効能の話題になったとたんに、コレステロールや動脈閉塞、血圧、血糖値を減らし、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果がある、と夢のような単語が続出で、ちょっと誇大広告じゃないのと、言葉を控えたくなりました。
でも、褒める時は徹底してべた褒めするのがイタリア人ですよねえ。

少なくとも日本人よりはたくさんオリーブオイルを摂取しているように思えるイタリア人ですが、
こちらの統計によると、イタリア人の死因で最も多いのは循環器疾患で、そのほとんどが、虚血性心疾患(心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳卒中など)によるものなんだそうです。
これは世界的な傾向と何も変わりません。
あれあれ?

まあ、そんなもんでしょうねえ。
いくら動脈硬化に効くといっても、薬じゃないんだし、そもそも、そんな薬、存在しないし。

それでも、一筋の希望にすがって、今日もオリーブオイルをたっぷり使って料理をするわけです。
もこみちくんガンバレー♪

という訳で、オリーブ応援動画です。

今回はシチリアのカステルヴェトラーノ。
オリーブはノチェッラーラ・デル・ベリチェ種です。
オイルにもなるし、食用にもなります。

オイル用
 ↓



食用
 ↓



こんなコロコロオリーブが入ったマティーニが飲みたくなりました。





いくらオリーブが入ってても、飲み過ぎれば、そりゃ、動脈硬化にもなるわなー。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』、“カステルヴェトラーノのオリーブ”の記事の解説は、「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月21日月曜日

ボンチのンドゥイヤのピッツァ

前回紹介したンドゥイヤのピッツァ。
考案したのはガブリエーレ・ボンチ氏。
彼のピッツァはどれも美味しそうだしアイデアが詰まってます。

ローマのボンチの店、ピッツァリウムのピッツァ。
 ↓
Chiudiamo da Bonci


この写真のコメントは、「ボンチが花のピッツァと言う時は、ありきたりなズッキーニの花のことじゃない」

Quando Bonci dice che fa la pizza con i fiori, non intende quelli di zucca!


彼の本、『IL GIOCO DELLA PIZZA』にンドゥィアのピッツァのリチェッタがあったので、訳してみます。

秋のピッツァの一つです。



リコッタ、柿、ンドゥイヤのピッツァ  Pizza ricotta, cachi e 'Nduja
材料:
基本の小麦の白い生地;
 0タイプの小麦粉 ・・1kg
 水・・700ml
 EVオリーブオイル・・40g
 塩・・20g
 ドライイースト・・7g
トッピング;
 羊のペコリーノ・・500g
 ンドゥィヤ・・500g
 熟した柿・・4個
 刻んだアルバ産ヘーゼルナッツ・・150g
 EVオリーブオイル
 塩

・油をたっぷり塗った天板に生地を広げ、220度のオーブンで25分焼く。
・焼きたてのピッツァの上に新鮮なリコッタをあまり潰しすぎないでのせる。
・ンドゥイヤをクルミ大に切ってピッツァにのせる。
・リコッタとンドゥイヤの間に薄く切った柿をのせる。
・塩をして軽く炒ったヘーゼルナッツを散らす。



おまけの動画。

ボンチの秋のピッツァと言えば、きのこのピッツァ。
ほお~、タタン仕立てですかー。
これも美味しそう。






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2013年10月17日木曜日

ンドゥイヤ

今日はンドゥイヤ(ランドゥイヤ)の話。

カラブリアの名物サラミですよね。
名物どころか、カラブリアのシンボルとか、伝説の食材とか、地元では大絶賛です。

Tropea - Nduja



塗るサラミとして有名。




腸詰なので腸に詰めてあるのですが、なんだかいわゆる腸詰とは、ちょっと形が違うみたい。

そうなんです。
腸は腸でも、盲腸なんです。
豚の盲腸って、大きいんですねー。

この、カラブリアで一番有名なサラミは、挽いた豚肉、岩塩、乾燥赤唐辛子を混ぜて盲腸に詰め、そしてスモークしてから乾燥、熟成させたもの。

ナポリの貧民に無償で配給されていたという過去も持つサラミなので、元来は、豚の内臓だけで作られていましたが、さすがに今は、背脂、頬肉、バラ肉も入っています。
熟成は60~90日間。

ところが、同じものを他で作っても同じ味にはならないそうで、やはり産地の特殊な気候がポイントなんですねー。

産地はスピリンガという人口1500人の村。

この村、海も山もないのに、近くのティレニア海からの涼しい海風が吹き打あげて、丘よりちょっと高い程度の山からの優しい冷気がそっと吹き下ろされるという、絶妙の環境にあるんだそうです。
スピリンガの語源は、ギリシャ語で天然洞窟と言う意味のspelungaなんだそうですよ。

だから、ンドゥイヤ、だけじゃなく、スピリンガのンドゥイヤという商品名が重要。

ンドゥイアのピッツァ

Pizza Libretto


ローマの代繁盛ピッツァ店の店主、ボンチ氏のンドゥィヤのピッツァ。



ピッツァ生地にリコッタをのせて焼き、その上にンドゥイヤをのせて潰した柿の果汁と果肉をかけます。
この人が作るものに外れはないです。
一度お試しを。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』、“ンドゥィヤ”の記事の解説は、「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月14日月曜日

ロールケーキ

ブッシュ・ド・ノエルは、イタリア語で言う、トロンケット・ディ・ナターレ。
Tronchetto di Natale。
由来を知って、薪に似ている形が正統派なんだなあと、改めて納得。

Tronchetto di Natale


表面を覆って樹皮に仕立てるクリームはガナッシュ、中はビスキュイ。
ビスキュイは、イタリア語ではパン・ビスコットpan biscotto。

こちらの動画では、中に詰めるクリームは、ホイップクリーム、マスカルポーネ、ヌテッラ。




ブッシュ・ド・ノエルはロールケーキの一種ですが、ロールケーキって、イタリア語では、なんて言うんでしょう。

ロートロrotoloかな。

Rotolo di pan di spagna a basso IG


ヌテッラは、イタリアのロールケーキの詰め物の定番なんですねー。
ロートロ・アッラ・ヌテッラ。
 ↓




お母さんの手作りおやつ感がいいなあ。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』、“ロールケーキ”の記事とリチェッタは、「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月11日金曜日

ブッシュ・ド・ノエル

今日はブッシュ・ド・ノエルの話。
この、フランスの薪の形をしたクリスマスケーキの由来については諸説あるようですが、今回は『サーレ・エ・ペペ』の説をちょっとご紹介。


Bûche de NoëlBûche de Noël / bgreenlee



記事によると、このケーキのそもそものルーツは、13世紀以降にヨーロッパに広まった古い伝統で、異教の冬至の儀式がルーツなんだそうです。
この異教の冬至の祭りこそがクリスマスのルーツ、とも言われています。

冬至は、一年で最も昼が短くて夜が長い日ですよねー。
クリスマスの祝日の間、古い切り株を家の暖炉で燃やすことで、キリスト生誕で世界に光がもたらされたことを象徴しているんだそうです。

一年で一番夜が長い日、ということは一番暗い時間が長い日。
というわけで、長い夜の間ずっと燃え続けている長い薪が必要です。
この薪に火を灯すのは、家の中で一番偉い人、つまりお父さんが行う大切な儀式だったんですねー。
ところが、このファンタジーな習慣を、無残にも踏みにじる事件が。
電気の発明です。

19世紀末には電気が普及して、この薪の儀式は、意味がぐーんと薄れました。

結局、冬至の夜を照らした光は、こんな形で生き残りました。
センターピースです。

Christmas Centerpiece at WR
Christmas Centerpiece at WR / vastateparksstaff


テーブルの中央に置いてある飾り。
その中のローソクには、意味があったんですねー。
さらに、これがヒントになって生まれたケーキがブシュ・ド・ノエルなんだとか。

クリスマスのテーブルセッティング
 ↓ 



キリスト教徒じゃないけど、冬至の儀式だと思えば、ケーキやチキン食べてもいいか。
ちなみに今年2013年の冬至は12月22日。
カボチャ食べる人いるかなー。






これはいわゆるキャンドルサービス?
超かわいい~♪




まだ10月だけど、毎日暑いし。
クリスマスまでに寒くなるのかなあ。


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関連雑誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年12月号、ブッシュ・ド・ノエルの解説がある“ロールケーキ”の記事は、まもなく発売の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月8日火曜日

クリスマスのディナー

唐突ですが、今日はクリスマスの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

クリスマスパーティーの意味って、考えたことありますか?
なぜ、ツリーを飾ってご馳走を食べるのか?


まあ、キリストのお誕生会?ぐらいのことは想像しますよねー。
盛大なお祝いだから、キリスト教徒じゃないけど、ついでにちょっと便乗しちゃいましょー、とか。
でも、そんないい加減な考えが恥ずかしくなるような深い意味が、クリスマスのご馳走の裏にはあったんです。

だから、私、キリスト教徒じゃないから、別にいいや?

いやいや、クリスマスを祝う習慣は、元々は、キリスト教徒の習慣じゃなかったんですよ。

古代ローマ時代の異教の祭りが元なんだそうです。
太陽の祭り、だって。

それは、すべての人が愛を与え、そして受けるべきことを感じることができる思いやりにあふれた大切な祭りだったんだそうです。
そのために家を飾り、贈り物を交換し、料理を作ったんだそうです。
これらには、私はここにいて、あなたのためにこうするのです、と告げる意味があったんだって。

キリスト教徒、なとん心が広いんじゃー。
仏教徒だからと言うのを理由に、かたくなにクリスマスのお祭り騒ぎを拒否していた私、人間ちっさー。

伝統料理を一緒に味わうというのは、特別な瞬間なんですねー。
だからテーブルセッティングも特別なものにするんです。

ヴァルテッリーナのある家族のクリスマスディナー。
 ↓
01_012 101
01_012 101 / jhonnyilbello



1999年のクリスマスの季節が舞台のフランス映画の予告編。邦題は『ブッシュ・ド・ノエル』、イタリア語の題は『プランゾ・ディ・ナターレ』。
 ↓





そういえば、なぜブッシュ・ド・ノエルがクリスマスのケーキなのか、その理由も深いんです。
その話は次回に。



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関連誌;“クリスマス料理”の記事は、近日発売予定の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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2013年10月3日木曜日

カピトーネ

今日はウナギの話です。

Eel (Anguilla)

ウナギは以前にもブログで取り上げたことがあります。
こちら

その時も書きましたが、日本では夏の暑い時期に食べるイメージのウナギですが、イタリアでは地方料理のクリスマス料理の食材として知られています。

イタリアンなウナギ料理。
ウナギとポレンタ。
 ↓
Anguila con Polenta



イタリア語では、うなぎはanguilla(アングイッラ)ですが、capitone(カピトーネ)とも言います。
クリスマスに食べるのは、主にcapitone(カピトーネ)。

アングイッラとカピトーネは、どう違うのか。

辞書で調べると、多分たいていは、anguillaはウナギで、capitoneはメスの大うなぎ、と出ています。
でも、正確には、どちらも学名はanguilla anguillaという生物、つまり、どちらもヨーロッパウナギのことなんですねえ。

はあ、ウナギって、本当にミステリアスな魚だなあ。

ウナギは回遊魚だってことは、知ってますよね。
成長の過程で、外見が変わり、それに伴ってイタリアでは、名前が変わるんです。
それでだけでなく、ウナギは性別まで変わるんだそうです。
性別が変わるのは、年齢によるのではなく、大きさによるのだそうです。
そしてウナギの大きさは、年齢よりも環境に作用されるそうです。

だから、カピトーネがメスの大きなウナギだというのは、逆に言えば、オスの大きなウナギはいないから、当然と言えば当然なんですねえ。

イタリアの人のこだわりはすごい。
活きてるウナギを買って、自分で捌きます。
 ↓







日本のウナギは、一匹200~250gだそうですが、カピトーネは400~500gだそうです。

ヨーロッパウナギの産卵場所として唯一発見されているのは、サルガッソ海。
地球上にそんな名前の海が存在することさえ知りませんでしたが、ここは多くの船が沈没する舟の墓場、なんだそうです。
ひえ~。


サルガッソ海でウナギの放流。
 ↓



実は、ニホンウナギだけでなく、ヨーロッパウナギも、今や絶滅の危機に瀕しています。
絶滅危惧種です。
レッドデータにも載っています。
稚魚が見つからないんだって。
将来、ウナギのクリスマス料理が姿を消さないように、イタリアでもウナギの養殖が行われていますが、まだ完全養殖には成功していないそうです。
今も減少の一途。

ナポリの露店のクリスマスのウナギ屋さんの姿も、昔話になってしまうかも。
 ↓






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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年12月号、“ヨーロッパウナギ”の記事の解説は、間もなく発売予定の「総合解説」2011年12月号に載っています。

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