2012年5月31日木曜日

ピノキオとチブレオ

北イタリアではまた地震があったようですね。
イタリアでも日本でも、ほんとに地震はもういやだ~。

気分を変えて、今日はピノキオの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
この記事によると、ピノキオにチブレオが出てくるらしい。
フィレンツェの有名レストランじゃないですよ。
フィレンツェ名物の内臓料理の、チブレオです。
とは言え、チブレオを食べたことがある人、イタリア人でもどれくらいいるんでしょうか。
ピノキオに出てくるくらいだから、有名な料理なんですね、きっと。

チブレオはこんな料理

この特徴的なぎざぎざしたものは、鶏のトサカです。
つまりチブレオとは、鶏の内臓とトサカのフリカッセのようなもの。
名前は有名でも、レストランで人気が出そうな料理でもないですね。
一応、こんな料理だということを覚えておいてください。

さて、ピノキオです。
ピノキオってどんな話でしたっけ。
嘘をつくと鼻が伸びるってことと、クジラに飲み込まれたぐらいしか覚えてないけど、

チブレオがどこに登場するかと言うと、ピノキオが猫と狐と一緒に行くオステリーア、ガンベロ・ロッソで注文する料理の1つです。
そう、雑誌やワインの格付け本でおなじみの、あのガンベロ・ロッソは、ピノキオのこのオステリーアの名前から取ったんですねえ。

それにしても、ピノキオに猫や狐なんて萌えキャラでてきたっけ?
なんて無邪気なこと考えてたら、とんでもなかった。
↓ディズニーの猫と狐はなんとなくうさんくさいけど、


↓TVドラマの実写版の猫と狐(大きいほう)は、超いやな最低のペテン師。



こんないたいけな子供からお金巻き上げようとしているんですよー。
カモにされたピュアなピノキオちゃんが可哀そうで可哀そうで、おばちゃん、もう見てられませ~ん。
しかもあのおせっかいな雌鶏に、自分の姿が重なっちゃうよお。
騙されないようにピノキオに忠告して、猫に殺されちゃうんですよ!
いやだこんな鬱展開。
しかも、これはまだ序の口。
ピノキオに降りかかる不幸の詳細は、こちらのページでどうぞ。

ピノキオのあらすじ

最初は愚かな子供だったとは言え、ピノキオに降りかかる災難の数々は、もう異常。
子供のうちからこのくらい重い話を聞かせておけば、さすがに簡単には騙されなくなるってもんだ。
でも、人間不信にもなりそう

ドラマ版ピノキオ第1話-1

ガンベロ・ロッソのシーンを探すために実写版のドラマを見ていたら、気分はすっかりどん底です。
ぐったり疲れたので、ガンベロ・ロッソの話は次回に。







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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年4月号、“チブレオ”の記事の解説は、「総合解説」2011年4月号(近日中に発売予定)に載っています。

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2012年5月28日月曜日

シラス

HPIM8001
最近よく食べているもの。
シラス。
イタリアのも日本のも、シラスはシラス。
↑これはイタリアの。


farinata di bianchetti
シラスのファリナータ。


HPIM8007
シラスのさつま揚げ?

シラスのパスタで美味しそうなのないかなあ、と探していたら、1枚の写真を発見。
これです。

サルデッラのスパゲッティ。
サルデッラとは、カラブリアのキャビアというキャッチフレーズがついているもので、シラスを塩、唐辛子、フィノッキオ・サルヴァティコで漬けたソース。

こちらのサイトによると、古代ローマの魚醤ガルムに匹敵するもので、カラブリアでは昔からシラス漁の時期に毎年サルデッラ造りが行われてきたのだそうです。
パンに塗って食べるのが一般的。

こうやって売ってるんですねえ。
白菜が入っていないキムチみたいですねえ。

キャビアの例えは味だけではなく、値段も高いらしい。

↓サルデッラの作り方



シラスを洗う。
シラス1㎏につき塩25gをまぶす。
唐辛子はカラブリア産の辛い唐辛子と辛くない唐辛子をミックスして辛さを調節。
これにフィノッキオも加えながらシラスにまぶす。
3日程度漬けます。


↓サルデッラをパンに塗るだけの動画なのに謎のムードたっぷり。



↓サルデッラのパスタ



サルデッラが塩辛いのでゆで汁に塩は加えません。
玉ねぎのソッフリットにフレッシュトマトを加えて煮たらサルデッラを加えて煮詰めます。
これに白ワイン1/2カップを加えてなじませ、仕上げにバジリコのみじん切りを散らします。
ソースをクリーム状に煮込むのがポイントのよう。



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2012年5月24日木曜日

アサリのパスタ

スーパーにコロンコロンのアサリが並ぶ、今日この頃。
今日はアサリのパスタの話。

スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレと言えば、代表的なシーフードのパスタ。
世界中の多くの人が最初に食べるシーフードのパスタはこれなのでは?
外国人にとって比較的入門編なパタスという意味で、イタリアで最初に食べたパスタがこれだったという人もいるかも。

これは、誰でも作れるようなシンプルな料理ですが、ある意味、傑作ですよね。
アサリ料理と言えば、すぐにパスタが思い浮かぶように、アサリとパスタは、天才的な組み合わせ。
アサリの美味しさをこれだけ引き出せる食材は、他にはない。
逆にほかのアサリ料理が思いつかない。
アサリが美味しいだけでなく、パスタもしっかりアルデンテにゆでることが要求されるこの料理は、まさに、アサリとパスタ両方の産地であるカンパーニア州が誇る地方料理。
それだけでなく、ローマ料理に分類する人もいるのは、イタリアの代表的なシーフードパスタとして、観光客の多いローマで、レストランの人気メニューとして定着したからだと思います。

Linguine alle vongole

↑ナポリのサンタ・ルチア地区のあるレストランのアサリのリングイーネ。


アサリのパスタと言えば、ロッソとビアンコですが、Livio Jannattoniのローマ料理の本『la cucin romana e del lazio』によると、元々アサリのパスタと言えばはロッソだったのだそうて゜す。 つまり、イン・ビアンコのバリエーションは後から登場してきたんですね。
しかも最近では、ローザ(ピンク)というのもあるんですねえ。
この本によると、オリジナルのアサリのパスタは殻も全部取っていたそうです。
さらに言えば、、元々はアサリではなくテッリーネという小さな二枚貝で作っていたそうですよ。

telline.....buone

テッリーネ

Linguine con le telline

テッリーネのスパゲッティ。 これがアサリパスタのルーツか。

↓テッリーネのスパゲッティ。



こちらこそアリガトウ。
テッリーネの和名はフランスナミノコ。
地中海の沿岸部全域に生息しています。
アサリよりさらに庶民的でローカルな貝ですね。

元『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の編集長、アンナ・ゴゼッティ=デッラ=サルダの人気の本、『le ricete regioneli italiane』から、ヴォンゴレ・ロッソのレシピです。

アサリのパスタ
Spaghetti alle vongole
材料:
アサリ・・1kg
スパゲッティかヴェルミチェッリ・・350g
完熟トマト・・500g
オリーブオイル・・80g
イタリアンパセリ
にんにく
塩、こしょう
・アサリを流水でよく洗う。
・大きなフライパンにアサリと小レードル1杯の水を入れて火にかけ、開いたらものから取り出して殻から外す。
・汁は漉す。
・トマトを裏漉しする。
・にんにくを油で炒め、色がついたら取り除く。ここに裏漉しトマトとアサリの汁の上澄みを加えてゆっくり煮詰める。
・塩を加えた湯でスパゲッティをややアルデンテにゆでる。
・ソースを火から下ろす直前にアサリとイタリアンパセリのみじん切りを加えて1分煮る。
・パスタをソースであえてこしょうをかける。



ナポリ商工会議所がスポンサーの本、『macccheroni』の、ヴォンゴレ・ビアンコのレシピです。

ヴォンゴレ・イン・ビアンコのパスタ
Vermicelli alle vongole in bianco
材料:4人分
ヴェルミチェッリ(ロングパスタ)・・320g
アサリ・・1kg
にんにく・・2かけ
イタリアンパセリ
EVオリーブオイル・・250ml
塩、こしょう
・アサリを塩水に最低1時間浸す。
・フライパンに油、にんにく、イタリアンパセリの茎数本を入れて熱し、にんにくに色がついたら取り除く。
・ここにアサリを入れて木べらで混ぜ、強火で熱して開ける。
・殻から外し、貝をフライパンに入れ、漉した貝の汁で薄く覆っておく。
・パスタを硬めのアルデンテにゆでる。
・アサリのフライパンにパスタを加えて強くマンテカーレしながらパスタに火を通す。
・仕上げにたっぷりのこしょうとイタリアンパリのみじん切りを散らす。


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2012年5月21日月曜日

北イタリアの地震

金環日食、ご覧になりましたか?
今回の日食は、中国からアメリカにかけの太平洋側でしか観測できないので、ヨーロッパは圏外。
しかもイタリアでは、ボローニャなど北イタリアで大きな地震が相次ぎ、今も余震が続いているようなので、それどころではなかった人も多いのでは。

20 maggio 2012 - Il terremoto in Emilia Romagna

地震で崩壊した建物。
レンガ作りの古い家で地震は怖いですね。
地震が発生したのは5月20日、日曜の早朝の4時過ぎ、マグニチュード6。
震源地はボローニャの北36km。
ミラノでも揺れを感じたそうです。



20 maggio 2012, terremoto in Emilia Romagna

時計塔が無残な姿に。


20 maggio 2012, terremoto in Emilia Romagna

屋外へ避難した人々。


↓地震の被害を伝えるニュース。



↓レンガの街は日本とは違う怖さが。



被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申しげます。
早く余震が収まるといいですね。




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2012年5月17日木曜日

牡蠣の昼食

先日、『ヴィエ・デル・グスト』の牡蠣の記事を訳して、牡蠣にまつわる有名な絵があることを知りました。
ジャン= フランソワ・ド・トロワという人の「牡蠣の昼食」という絵です。
大画像はこちら

退廃的なお上品さを漂わせた絵ですねえ。
フランス革命の50年前に描かれています。
革命が起こったら、民衆の前にまっ先に引きずりだされそうな横柄さも感じてしまうのは、彼らが牡蠣を食べながらシャンパンを飲んでいる、という、バブリーな設定に対する平民のひがみでしょうか?
よく見ると、床や天井が薄汚れているのは、作者の深い意図でもあるのか?

ベルサイユ宮殿に飾られていたというから、フランス料理の世界の人たちの間では有名な絵なんでしょうねえ。
はい。もちろん私は、まったく知りませんでした。
現在はシャンティイ城のコンデ美術館所蔵です。

シャンティイと言えば、料理の世界では、クレーマ・シャンティイ。
↓その発明者でシャンティイの宮廷料理人ヴァーテルを描いた映画『宮廷料理人ヴァーテル』。



絵画の知識が皆無の私があーだこーだと分析することはできませんが、この絵は純粋に傑作だと思います。はい。
ところが、これをイタリア料理の観点から見ると、単なる名画では終わらないんですねえ。
イタリア人から見ると、これは、牡蠣にはシャンパンという組み合わせをフランスのものとして美食界に広めた絵なんだそうですよ~。
あ、こういう時は、行間を読まなくてはなりません。
本当は何を言いたいのかと言うと、「この組み合わせはイタリア人だって知ってたさ、イタリアにだって、牡蠣もスプマンテもあるよ~、ぷいっ!」ということなんですねえ。
実際、その記事は、イタリア産牡蠣の話でした。
つまり牡蠣とシャンパンは、イタリア人にとってもゴージャスな組み合わせ、ということですね。




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2012年5月14日月曜日

バイーコリ

ヴェネチアのコーヒーの話の仕上げに、今日は、コーヒーに添えるヴェネチアのクッキーの話。
このラスクのようなのがバイーコリ。

これはクッキーと言うよりビスコッティですね。
文字通り、2回焼きます。
バイーコリはクッキーと呼ぶには地味で、ヴェネチア名物というわりには田舎っぽいですよねえ。
でも、コーヒー(フローリアンではホットチョコレート)の受け皿に、このバイーコリが添えられているだけで、なんだか通な飲み物を頼んだみたいで、素敵な気分になりますよねえ。
そういえば、この前紹介したサヴォイアルディも、チョコレートやワインに浸しながら食べるものでした。
このバイーコリと比べると、いかにサヴォイアルディが上品な貴族向けのお菓子か、よくわかりますねえ。
長期保存が可能なので、缶などの密閉容器に入れて、長い航海にも持って行けたんだそうです。
さすがは海洋共和国のお菓子。
ホットチョコレート、ザバイオーネ、甘口ワインに浸して食べます。

市販品がたくさんあるので、家で作る人は多くはないようです。



材料は、
温めた牛乳・・100㎖
生イースト・・15g
小麦粉・・400g
砂糖・・50g
ハター・・80g
卵白・・1個
塩・・ひとつまみ

・イーストを牛乳の1/3で溶く。
・これを小麦粉100gに加えてこねる。必要なら牛乳を足す。
・丸めて十文字のクープを入れ、発酵させる。
・残りの小麦粉、砂糖、塩を混ぜる。
・卵白を硬く泡立てる。
・ここ発酵させた生地、室温のバター、卵白を加える。
・この生地を10分こねて4つに分け、筒状に伸ばす。
・オーブンシートを敷いた天板に並べて2時間発酵させる。
・180度のオーブンで10分焼く。
・冷めたら布で覆って2日休ませる。
・これを薄くスライスして170度のオーブンで5分焼く。
・裏返してさらに5分焼く。


発酵と乾燥に、時間がたっぷりかかるんですねえ。
地味な外見の割には、作るのはとても面倒。
これなら、サヴォイアルディのほうがよっぽど簡単。
チョコレートに浸すだけのものを、これだけ手間暇かけて造る情熱がある人はどうぞ。

オレンジの果汁と皮を加えるリチェッタもあります。

↓おまけの動画。
ヴェネトのクッキーを調べていたら、こんな動画見つけちゃいました。
作っているのは、ヴェネトの伝統的なとうもろこし粉のクッキー、ザレーティ。
材料の説明の口調からして軽くいらっとするんだけど、作り方を見て、jkはイタリアでもjk(中学かな)なのねと、むしろほほえましくて、安心しました。
クッキー作りにはこの大ざっぱさが必要かも。



素敵なキッチンの楽しそうなお宅ですね。

↓彼女たちが作ろうとしたのは、こんなお菓子。






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2012年5月10日木曜日

カフェ・フローリアン

前回紹介した動画の中で、ヴェネチアを代表するカフェ、(ということは、イタリアのカフェ文化の出発点)として紹介されていた店、カフェ・フローリアン。
カメリエーレがドルチェやコーヒーを銀のお盆にどっさりのせて肩にかかげて運んでくると、テンションあがりますよね~。
例の動画によると、あの銀のお盆を使う習慣は、1723年にヴェネチア伝わったのだそうですよ。
お盆に一杯載っていると、うれしくなりますよねえ。

その人気メニューの一つ、カフェ・ヴェネチアーノがやたらゴージャス、かつ美味しそう。
何しろアルコール入りでホイップクリームがどっさりトッピング。

↓グラス入りなのがカフェ・ヴェネチアーノ。
左はカップッチーノ。

Venise, cappuccino au caffé Florian \ Cappuccino in caffé Florian, Venice



このほかに、カクテルグラスでサーブされるカフェ・インペラトーレは室温の卵黄大2個、砂糖小さじ2、マルサラ小さじ2、エスプレッソ用コーヒーの粉15g、ホイブクリーム入り。




↓カーニバルのフローリアンは夢の中のような不思議空間。



値段のことを考えると、現実に引き戻されてテンションダダ下がりですが、ま、ここは世界中のおのぼりさんが集まるヴェネチアですからね。


『ヴィエ・デル・グスト』の記事でヴェネチアの有名カフェとして紹介しているのは、フローリアン、チプリアーニ、そしてダニエリのダンドロ。
↓ダンドロ



ゴージャスですねえ。
実際に行くことはできなくても、動画でちょっと行った気分になっていただけたら、おら幸いですだよ。




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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年3月号、“コーヒー”の記事の解説は「総合解説」2011年3月号に載っています。

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2012年5月7日月曜日

コーヒー

今日はコーヒーの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。

caffe italiano

今時、コーヒーを毎日飲んでいても、その陰に壮絶な歴史があったなんてことに思いを馳せる人なんてまずいないでしょうねえ。
かくいう 私もそうでした。
でも、この記事を読んで軽く反省。
お勉強になりました。
 コーヒーの市場が、石油に次ぐ世界的な規模だということ、知らなかったなあ。

そもそも、スパゲッティ、ピッツァと並んでイタリアが世界に誇るイタリアの食文化の代表選手が、コーヒーなんですよねえ。
だから、イタリア人のコーヒーに対する理解とこだわりの深さは、半端じゃない。

↓イタリアのコーヒーの聖地巡礼は、イタリアにコーヒーが最初に伝わった地、ヴェネチアから始まるのが定番。
(とてもきれいな画像だけど長いです。24分あります。)



次はトレヴィーゾミラノトリノボローニャ、。

イタリアでは、17世紀初めにまずヴェネチアにコーヒーが伝わり、ヴェネチアでは庶民の間にもすぐに広まりました。
ちなみに日本に伝わったのは18世紀末頃だとか。

17世紀半ばまで、コーヒーの生産国はエチオピアとイエメンだけだったのに、今では石油なみの市場があって、世界中で飲まれてるということは、多分コーヒーは巨万の富を生み出す豆ってことですね。
そりゃあ血生臭い歴史もあるでしょうねえ。

自国でコーヒーを作れば儲かるということにヨーロッパが気が付いてからの植民地でのコーヒー畑の異常な増殖具合は、奴隷の歴史が物語っています。
オランダはジャワ、フランスはマルティニーク、ポルトガルはブラジル、イギリスはジャマイカ、スペインはフィリピンやエルサルパドルでコーヒーの栽培を始めました。
そういえば、エチオピアを含む東アフリカは、一時イタリアの植民地でした。
その周辺も、ヨーロッパのわずか7か国が入り乱れて大陸ごと全部植民地化しました。

↓ブラジル産コーヒー“キンボ”の古いCM。




今ではコロンビアとともにコーヒー生産のリーダーシップをになっているブラジル。
皮肉なことに、コーヒーによって国が潤いだすと、イタリアから移民がブラジルに大勢渡るようになりました。
コーヒーはブラジルの主要な産物ですが、この国こも最初からコーヒーが生えていた訳ではありません。

ブラジルに富をもたらした最初のコーヒーの苗は、1727年に、若い士官が不倫相手へのプレゼントとして花束に隠してフランス領ギアナから密輸したのだそうです。

上のイタリアのコーヒーの聖地巡礼動画には、なぜかナポリがありません。
確かに、記事にもある通り、イタリアでもっともコーヒーにこだわっているナポリの人たち。 でも、そのコーヒーは、外国ではあまり知られてないようです。
記事にある映画『クエスティ・ファンタズミ』の有名な、劇作家エドゥアルド・デ・フィリッポがナポリコーヒーの淹れ方のうんちくを語る動画。



この映画でソフィア・ローレンがマッキネッタの口に紙のキャップをかぶせるシーンは、作家のこだわりからに生まれたんですね。




1945年のコメディー映画だそうですが、いったい、どんな映画なんでしょうね。

さーて、コーヒーブレイクでもしますか。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年3月号、“コーヒー”の記事の解説は「総合解説」2011年3月号に載っています。
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2012年5月3日木曜日

カムット小麦のパスタとピアディーナ

カムット小麦との出会いは、日本ではパスタの形で食べることが多そうですね。
でも実は、ぶっちゃけると、全粒粉パスタが苦手なので、いまいち興味が湧きません。
『ヴィエ・デル・グスト』によると、「カムットのパスタはセモリナ粉のパスタより味が強くて、全粒粉のものよりマイルド」なんだそうです。
食べたことがないのでしょうがない。
この記事を信じることにします。

まずは“ルーコラのペーストのフジッローニ”の動画をどうぞ。
カムット小麦のパスタはクリーム系などコクととろみと甘さのあるソースが適しているそうです。



材料は、
パスタ・・200g
ルーコラ・・300g
ペコリーノ・・300g
松の実・・15g
塩、オリーブオイル

・ルーコラ、オイル、松の実をバーミックスで撹拌してペーストにします。
・ペコリーノはオーブンシートに乗せて、レンジで30秒チン。
・パスタをゆでてペーストで和え、皿に盛りつけたらペコリーノで飾ります。

あとは粉を使ったピッツァやパンなどがあります。
↓こちらはピアディーナ。


具はズッキーニとモッツァレッラです。
ピアディーナを焼く前にズッキーニを焼いてます。
なかなか美味しそうじゃないですか。



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関連誌:『ヴィェ・デル・グスト』2011年3月号、“カムット小麦”の記事は「総合解説」2011年3月号に載っています。
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