2018年5月25日金曜日

スパゲッティの盛り付け方

今月号の「総合解説」で、


訳していて一番印象に残ったのは、『サーレ・エ・ぺぺ』の“シックなスパゲッティ”の記事の1品目のリチェッタ、「ポロねぎのフォンドゥータ、ヘーゼルナッツ、黒トリュフのスパゲッティ」の盛り付け方の説明文。

...unite gli spaghetti formando un torchon con la pinza.

スパゲッティをピンツァ(ピンセット型トング)でtorchonの形にして加える。

torchonですと?
初めて目にした言葉です。
そもそもこれ、フランス語だし・・・。
でも、なんの説明もないので、イタリア人なら理解できる言葉なのでしょうか。
フランス語でtorchonトルションとは、布、布巾、キッチンクロスなどという意味。
料理用語の場合は、フォアグラ・オ・トルションなど、フォアグラの調理方法を表す時に使う表現。
フォアグラをテリーヌ型ではなく布で包んで調理したもの。
ひょっとして料理人なら、知ってて当たり前の言葉?

トルション調理中
 ↓
The making of the Torchon
photo by Nick Dawson

とにかく私は布巾という言葉で勝手に納得しました。
そして料理の写真を見たら、皿の上に巻いたナプキンが置かれているような形をしています。
今月のパスタのテーマは、いつものスパゲッティをちょっとゴージャスに、です。
スパゲッティをヘーゼルナッツ入りの黄金色のバターであえてポロねぎのフォンドゥータの上にトルションに盛り付け、黒トリュフを散らしたこのパスタは、かなりゴージャスに見えました。
ちょっと太めのパスタはトルションの盛り付けがよく合います。
スパゲッティの盛り付け方でよく使われるのは、nidi/巣という言葉。
フォークでくるくる巻いて作る形です。

スパゲッティのニーディ
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ピンツァとレードルで盛り付け
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抜き型を使った盛り付け
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ピンツァを使った一般的な盛り付けは円錐形になりますが、トルション型は長さがあるので円筒形になり、料理に奥行きが生まれます。

この盛り付けはトルション型ではありませんが、イメージは伝わるかも。
 ↓



トルションに盛り付けると言うテクニックを知ってから、トップシェフによるパスタの料理集、『パスタ・レボリューション』を見てみると、



やはり円形の盛り付けが主流ですが、中には奥行きのある盛り付けをしている人もいます。
中でも、アレッサンドリアのドゥエ・ブオイのアンドレア・リバルドーネ・シェフの”スパゲット・ミラノ”の盛り付けはとても美しいです。
これはリゾット・ミラネーゼをスパゲッティにしてしまった活気的なパスタです。

超シンプルなソースのパスタほど、この盛り付けは生えますねー。

リバルドーネ・シェフのスパゲット・ミラノ。
ピンツァで盛り付けてますね。
 ↓



ピンツァを上に抜くか横に抜くかだけで、こんなにも違う姿になるんですね。


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“シックなスパゲッティ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年1月号に載っています。
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...