2017年12月6日水曜日

ピエモンテとアルプスの向こう

ピエモンテ料理の話をしていますが、ピエモンテ料理はバリエーションが豊かなのが特徴の一つ。
ピエモンテでバリ―ション豊かなのは地理もです。
各州の料理の特徴を、とても的確に分析しているのが、グリバウド社の地方料理シリーズ、ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズです。

イタリア人向けの地方料理の解説なので、かなり深くて、その一方で、このシリーズの特徴である読みやすくて分かりやすい精神が貫かれていて、外国人には目からうろこの視点で地方料理を分かりやすくとらえているの本です。
本気でイタリア料理を造っている外国人にはぴったりの本です。

リチェッタは読みやすいし「総合解説」に日本語訳もたくさん載せているのですが、州の歴史や地理、文化の解説は、機会があれば訳してきました。
今回は、ちょうどこのピモンテの本が再入荷したので、地形について説明している部分を訳してみます。


まずはピエモンテの地形をざっと説明した動画をどうぞ。



ざっとどころか、すごく学術的なピエモンテの地理の解説でビックリ!
地理が絶望的に苦手だった私に言えるのは、ピエモンテの歴史は地理の歴史と結びついています、と言いながら、いきなり、2憶年前の話から始まった、ということ。
しかも当時は海によって陸が北と南に分かれていました。
沿岸には火山があって、どうやらこれがピエモンテの土壌の基礎なっています。
1憶3千万年前に、南北が接近して押し合い、押し上げられた土壌が垂直に切り立って、山脈になり、丘陵ができ、という訳です。
1億年前に地殻変動は落ち着いたかに見えた・・・、あたりでもうほぼ限界。
その後の氷河期だかの話は、記憶にない・・・。
料理の話に戻ります。
最初の章は、文字通り訳すとアルプスの向こう、という意味ですが、これはつまり、フランスの別名です。

“アルプスの向こう”
アルプス山脈を通って、何世紀にも渡って人間や商品、文化や思想が行き来してきた。
この山脈は障壁ではなく、歴史的なある地域への門だった。
サヴォイアだ。

紀元1000年頃にはすでにアイデンティティーが出来上がっていたフランスとイタリアにまたがるこの国は、16世紀末になって首都をシャンベリからトリノに移し、ピエモンテ一帯に勢力を広げていく。
この地域の大部分の伝統は、今でもフランスとの結びつきを感じさせる。
ピエモンテは他の州と比べてもフランスとの共通点を強く感じる。
前菜の豊富さは、フランス人のアントレ好きと通じる。
パスタは比較的限られている。
ピエモンテではソースを芸術にまで高めるほど情熱を抱いている。
料理用語も、フュメ、シヴェ、ココット、ボネなど、フランス語がピエモンテなまりになったものが多い。
(続)

アルプスのこっち側、フランスのシャンベリはサヴォワ県の県都。






-------------------------------------------------------
 [creapasso.comへ戻る] =====================================

0 件のコメント:

山の泡ことトレントDOC

今日は今月のワインの話。 日本語訳は(CIR2022年1月号P.34~)。 “山の泡”、というキャッチコピーのワインです。 トレント・クラッシコTrento Classico。 このワインはメトド・クラッシコ、つまりシャンパのワーズ製法で造られるスプマンテで、イタリアでは同様の製...