2017年5月29日月曜日

タヤリンと鶏レバーのソース


タヤリンに話を戻します。
前回は麺の話をしましたが、今回は組み合わせるソースの話。
タヤリンのソースとして世界的に有名なのは、やはり同じくランゲ地方の名物、白トリュフのソースでしょう。

イタリア料理を志す人なら、一度は食べてみたいですよね。
総合解説」に訳をのせた記事にも、白トリュフのソースのことは書かれています。

記事によるとこの料理は、ニューヨークで流行ってアメリカ経由でイタリアに逆輸入されたようです。
ランゲの農民料理から生まれたものではなそうですね。
それでは、地元で伝統的にタヤリンに一番合うと言われているソースは何かというと、2時間かけて作る鶏のレバーのソースだそうです。

ん?鶏のレバー?
なんだか最近聞いたような・・・。

そうそう、ローマのフェットゥッチーネの話をした時でした(こちら)。
ローマの手打ちの平麺、フェットゥッチーネと組み合わせる一番人気のソースは、鶏のもつのソースでした。
ローマの庶民にとってはご馳走で、日曜日の夕食の定番メニューだったとか。
そしてこのピエモンテのタヤリン。
総合解説にもありますが、日曜日のご馳走だそうですよ。

スローフードのリチェッテ・ディ・オステリエシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、普段はミートソースをかけるけれど、農家では日曜だけは時には鶏のレバーのソースをかけた。鶏は農家にとってはご馳走で、祝日の食材だったからだ、とあります。

鶏がご馳走というのはローマの農民もピエモンテの農民も変わらなかったのですね。
というとは、多分、タリアテッレも鶏の内臓のソースと組み合わせるはず。

ちなみに“鶏もつのローマ風フェットゥッチーネ”のリチェッタは、今月の「総合解説」の後半に載っています。

改めてリチェッタを探すと、鶏のレバーのパスタは、ミートソースのパスタとほぼ同じものだったようで、牛の挽肉に鶏のレバーも加えて長時間煮込むと、イタリアの農家風ミートソースになります。


前回はタヤリンの動画だったので、今回はフェットゥチーネとタリアテッレをどうぞ。






麺作りは女性、というか、お母さんが一番さまになりますねー。

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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...