2017年1月19日木曜日
パスタ・アッラ・グリーチャ
今日のお題はイタリアの国民的パスタソースの一つでも、かなり地味な存在のソース。
アッラ・グリーチャです。
別名アマトリチャーナ・ビアンカと呼ばれます。
トマトが入らないアマトリチャーナ。
つまり、トマトがイタリアに広まる前に作られていたパスタです。
主な材料は、グアンチャーレとペコリーノ。
かなりシンプルなパスタなので、グアンチャーレの味によって大きく左右されます。
ベーコンで代用すると違う味になります。
安いグアンチャーレが手に入りにくい場所では、広まらなかったパスタソースですが、
グアンチャーレが料理には欠かせなかったローマでは、今月の「総合解説」に載せたような、面白いエピソードがたくさん生まれた、庶民の暮らしに密着したパスタソースでした。
ところで、この『クチーナ・イタリアーナ』の地方料理の記事は、無名の市民の、その料理にまつわる思い出を紹介するシリーズです。
なので、グリーチャという名前の由来とかいった小難しいことは、徹底してスルーしています。
で、今月は、どんな思い出が紹介されているかというと、ローマの、文字に書かれたメニューやハウスワイン以外は誰も注文しないようなトラットリアで、プレジデンテと呼ばれていたカメリエーレがいた店で、“私”が食べたリガトーニ・アッラ・グリーチャのことです。
それは、これまで食べたこともないくらい美味しかったのだそうですよ。
“グリーチャ”はラツィオの羊飼いの主食で、すぐにてきる、安いのにとてもボリュームがあるパスタです。
フォークをがつがつ差し込んでむしゃむしゃ食べて(私は2分で食べたそうです)、ハウスワイン(定番はフラスカーティ・スーペリオーレ)で流し込むようなパスタだったのです。
主役のグアンチャーレは塩漬けして熟成させた豚の頬肉の脂身。
それにしても、ローマの名物カメリエーレがいる店は、カメリエーレのテンションについていければ、常連さんたちの中にすぐに溶け込めて、楽しいですよね。
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“パスタ・アッラ・グリーチャ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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