2016年10月20日木曜日

イタリアのビール

今日はビールの話。

スローフードのイタリアビールのガイド本、『ビッレ・ディ・イタリア2015』の発売に寄せた、『クチーナ・エ・ヴィーニ』誌の記事を訳して「総合解説」にのせました。

それによると、今やイタリアのビールは世界的知名度を得て、新しい伝統となりつつあるそうです。
イタリアのビールの特徴は、個性豊かな土壌から生まれる、オリジナリティーや発想力に溢れた醸造。

イタリアのビールブームは熱狂的に沸き上がって、情熱に支えられて成長し、現在は醸造、流通の分野でも重要な産業になっているのだそうです。
外国からの需要の増大が生産増にも結び付きました。

特に、ここ数年の注目は南のビール。

ちょうどいい機会なので、2015年版で、カタツムリマークを与えられた、高評価の作り手を紹介しがてら、本の見方を説明します。

まず、
カタツムリマークは、地域や環境に配慮しながらイタリアのビールの品質向上に貢献するような上質ビールを造っているメーカーに与えられます。

例えば、有名なところでは、ピエモンテのバラディン。
評価は、ビッライオ(醸造者)、ビッリフィーチョ(醸造所)、ビールの総評、個別のビール評価
に分かれています。

「(ビッライオの)テオ・ムッソはイタリアの(あるいは世界の)ビールの歴史を造った」
と高評価。

「バラディンのビールのスタイルは、エレガントでバランスが取れ、料理と組み合わせやすい。
ホップの流行を過度に追うことはせず、上品だが、デリケートすぎることもない。
注目を集めにくい“普通の”ビールでも、バラディンのビールは、いわばビールのマイルストーンになっている」

バラディンのビールは12種類。
特に、スロウ(生産地や生産者の歴史を感じさせる)、クオティディアーナ(シンプルで飲みやすい)、グランデ(ぜひ飲んでほしい素晴らしい風味)の特徴があるビールには、各称号が付いています。
バラディンの場合は、ノラというビールがグランデ評価。
ビール名の横にある●は、ビールの色を表しています。
ノラは濃い琥珀色。
さらにその隣はアルコール度。
その隣のAのマークは上面(alta)発酵の意味。
さらに隣のRは再発酵という意味。

ノラを語るティオ・ムッソ氏。
 ↓


ガイドの評価は、

エキゾチック、熱く、魅力的。
エジプトの精油ミルラやしょうがの風味がモルトと完璧に調和。
モルトには貴重なカムット小麦を使用。
独特の風味が長く残る。

このガイドを片手にイタリアビールを飲むと、うんちくを語れそう。

プーリアのグランデ・ビールの作り手の一つ、B94。
 ↓



同じくプーリアの注目の醸造所、ビッラノーヴァ。
 ↓




-------------------------------------------------------

“ビッレ・ディ・イタリア”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年8月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

イタリアのクラフトビール!おいしいですよね。ドイツとはちょっと違ってやっぱりイタリアっぽい味。以前トリノのイータリーでイタリアンビールフェアーをしていて種類の多さに驚きました。個人で細々醸造しているところも多い。日本はラガーが多いけど個人的にはエールが好き。ようやく日本でも少しずつイタリアのビールが増えてきていますがイタリアンレストランでもっといろいろイタリアンビールの種類増やしてほしいものですね。
Italiamama

prezzemolo さんのコメント...

Italiamamaさん

クラフトビールは美味しいですね。
イタリア産は美味しいと言えるほど飲んでないのですが、とにかく苦くないピールが飲みたいです。
お手軽な値段のイタリアのクラフトビールが増えるといいなあ。

マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

昨日の最後にサラっと登場したアノリーニですが、このパスタ、(CIR12月号P.5)にもリチェッタが載っていました。クルルジョネスの次の料理です。花の形の可愛い詰め物入りパスタ、なんていうのがこのパスタの印象ですが、イタリア人は、こんな風に思ってるんですね。 「マリア・ルイジアの小...