イタリア料理ほんやく三昧: スクロッカフージ

2015年11月26日木曜日

スクロッカフージ

今日はマルケのカーニバルのドルチェの話。
マルケ料理なんて、需要あるかなあと思いながらも、訳して今月の「総合解説」に載せました。

というのも、その名前がおもしろかったからです。
名前はスクロッカフージscroccafusi。

いったいどんな意味。
辞書で引いても出てきません。
『ア・ターヴォラ』の記事には、その由来が書いてありました。
scroccafusiの通称は、spaccadentiスパッカデンティ。
歯が欠ける、というような意味です。
つまり、それほど硬い、あるいはかんだ時に歯が欠けたような音がするのだそうです。

そんな硬いお菓子なんて、ますます需要ないなあ。
でも、動画を探してみると、これが意外とあるんです。
マルケの人たちに愛されているお菓子のようです。




素朴な農家的なドルチェで、リチェッタもバリエーションゆたかです。
総合解説に載せたリチェッタは、ゆでてからオーブンで焼くタイプ。

カーニバルのドルチェは、キアッキェレのように州ごとに名前が違う、ということがあります。
チェンチ、フラッペ、ブジーエ、クロストリなど、全部キアッキェレのことです。

このスクロッカフージは、エミリア・ロマーニャのカスタニョーレによく似ています。
今月の「総合解説」にはカーニバルのドルチェのリチェッタも載せています。
13ページにカスタニョーレの写真があるので、6ページのスクロッカフージの写真と見比べてください。

カスタニョーレ

Castagnole: un classico del Carnevale!


さて、ここですぐ思い浮かぶのが、マルケという州とロマーニャ地方の歴史的、地理的関係。
マルケはロマーニャ、トスカーナ、ウンブリア、アブルッツオに囲まれていますが、それぞれ隣接する地方の食の影響を大きく受けています。

余談ですが、マルケmarcheというのは、マルカmarcaの複数形です。
マルカとは、神聖ローマ帝国の領土のことで、各マルカは、マルケーゼmarcheseによって収められていました。
それが、中世になって州全体をマルカの集合体としてマルケと呼ぶようになったのだそうです。

ロマーニャ地方の影響が多かったマルケ北部でロマーニャ地方から伝わったカスタニョーレがスクロッカフージと名前を変えて広まったのかも。
明白な証拠はないけど、それも一考。



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“スクロッカフージ”と“カーニバルのドルチェ”の記事とリチェッタは「総合解説」12/14年2月号に載っています。
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