イタリア料理ほんやく三昧: カラブリアの黒豚

2015年10月1日木曜日

カラブリアの黒豚


豚がドングリを食べて育つ、という話を初めて聞いたのは、多分、イベリコ豚が出回りだした頃。
それ以来、一般的な豚がどんなものを食べているかも知らずに、ドングリを食べて育った豚の肉は美味しい、という情報だけが刷り込まれてしまいました。

イベリコ豚
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要は、ブナの木の下で放牧した豚ということでしょか。
でも、それならスペインだけでなく、どこでもできそうですね。
それをインパクトの強いセールスポイントに仕立てた頭脳の勝利なのか。

「総合解説」の“黒豚の生ハムに合うワイン”の記事を訳していて、ちょっとした短い文章が印象に残りました。

それは、
「カラブリアの黒豚は、半野生状態で、どんぐり、栗、根、球根、野生の果実など自然のものを食べて育つ」
というもの。
ほお~、これはむしろ、どんぐりだけ食べている豚より、健全じゃないですか。

しかも
「小麦粉の餌を与えられた豚と違って、肉には多価不飽和脂肪酸が多く、グルテンは含まない。
36か月熟成のものは世界中の生ハムの中でオレイン酸含有量が最も多い」

だそうですよ。
こんな素晴らしい食材が、イタリアにもあるんじゃないですか。

イタリアの農産物がことごとくスペイン産に負けてしまうのは、スマートな宣伝方法を取らず、ひたすらプライド高く、昔ながらの職人技を強調しているだけだからなのかなあと、常日頃感じていたのですが、実は、この点をオリーブオイルで考察した興味深い記事が次回の「総合解説」にはあります。
その話は来月詳しく取り上げます。

カラブリアの黒豚
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トスカーナの山間部での豚の放牧
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さすがに豚の放牧は見たことないなあ。
森の濃度が違うというか、ヨーロッパの森は、豚が群れで通れるくらい、足元が広々してますね。

これだけの数の豚を放牧できるということは、どんぐりだけでなく、球根や果実などさまざな餌が豊富にあるということで、他の野生動物にとっても棲みやすい環境があるということ。
野生動物が里に下りてきちゃう環境では、無理だろうなあ。

なかなか貴重な豚のようですが、宣伝下手のカラブリアで、カラブリアの黒豚が、チンタ・セネージやネブローディのように、メジャーになる日は来るのでしょうか。

カラブリアの黒豚のサルーミ
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“黒豚の生ハムに合うワイン”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年1月号に載っています。
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